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人生のパートナーを選ぶときのポイント

 著書の中には、夫で俳優兼イラストレーターの唐橋充さんが描いたキュートなイラストがふんだんに使われ、文章にも、子育てに協力的な、いわゆる“イクメン”の姿が活写されている。順番は逆になってしまうが、仕事に邁進していた水野さんが、結婚を決めたポイントはなんだったのだろう?

「出会ってから結婚までが本当に早かったので、結婚してから相手のことをいろいろ知っていった感じです。いいところも問題のあるところも両方(笑)。

 人に偉そうなことを言える立場じゃないのですが、結婚を決めた理由としては、私の場合は、インスピレーションとしか言いようがないです。絶対にどこの夫婦にも揉め事はあるし、関係性は結婚前と後で変化するし、離婚が頭をよぎるみたいな瞬間も、みんなあると思います。

 結局、一つ一つの問題に夫婦で向き合って、解決していけるかどうかが大切で、周りの夫婦を見ても、日々、喧嘩したり、仲直りしたり、問題にぶつかったりしながら、荒波を乗り越えている。

 どんな家族にも、晴れの日や雨の日、嵐の日が訪れるものだと思います。私は旦那にも子供にも本当に人間的に成長させてもらってると思います」

 『水野美紀の子育て奮闘記 今日もまた余力ゼロで生きてます。』のまえがきには、「そうしてきみが産まれてきてくれた。その瞬間から、これまで自分が人生の主役を歩んでいた父と母は、きみが主役の物語の脇役になった。人生の後半にきて、まだこんな幸せが残っていたなんて!」とある。

 毎日、家族や仲間と愛情を手渡ししながら、すべてのエネルギーを使い果たす。そんな余力ゼロの毎日は、泣けるほどに美しい。

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水野美紀(みずの・みき)

1974年、三重県生まれ。女優、作家・演出家。出演作に映画『踊る大捜査線』シリーズ、ドラマ「探偵が早すぎる」シリーズ、テレビ番組「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)など。2017年に第一子を出産。その他の著書に、『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』『ドロップ・ボックス』『私の中のおっさん』『プロペラ犬の育て方』がある。

水野美紀の子育て奮闘記 今日もまた 余力ゼロで生きてます。


定価 1,540円(税込)
朝日新聞出版
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2022.09.27(火)
文=菊地陽子
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=面下伸一(FACCIA)
スタイリスト=山下友子