この記事の連載
◆『九条の大罪』真鍋昌平
「人間というものに真正面から向き合っている」(講談師 神田伯山さん)
『闇金ウシジマくん』の作者が描く、法とモラルの極限ドラマ。なぜか厄介な案件ばかりを引き受ける弁護士・九条間人が依頼人の利益のために解決策を追求していく。たとえ道徳的に許しがたい依頼人であっても。
「私は本音が好きです。本音の中にある厳しさや優しさなど、どうにもならない人間というものに真正面から嘘がなく向き合った作品だと思います。そこが好きです」(伯山さん)
『九条の大罪』真鍋昌平
小学館 各715円 既刊6巻
神田伯山(かんだ・はくざん)
講談師
2007年、三代目神田松鯉に入門。20年に真打に昇進し、大名跡「神田伯山」を襲名。講談会や寄席のみならずテレビやラジオ、YouTubeでも活躍。大のマンガ好き。
◆『ひらやすみ』真造圭伍
「真造圭伍さんのいいとこどりのような作品」(ジュンク堂書店三宮店コミック担当 八木泉さん)
主人公・生田ヒロトは29歳のフリーター。定職なし、恋人なし、でも将来の不安も一切ない気楽な自由人。
そんな彼が仲良くなった近所のおばあちゃんから、タダで一戸建ての平屋を譲り受けることに。そこに18歳の従姉妹・なつみが上京し、ふたり暮らしが始まる。極上の日常系マンガ。
「もともと好きな作家さんです。世界感もほのぼの感もすごくよかったです」(八木さん)
『ひらやすみ』真造圭伍
小学館 各715円 既刊3巻
八木泉(やぎ・いずみ)
ジュンク堂書店三宮店コミック担当
丸善ジュンク堂書店でコミックジャンルアドバイザーチーフを務める。コミック担当歴20年というマンガの専門家。近年一番の衝撃作は『奈良へ』(リイド社)。
2022.09.19(月)
Text=Kozue Aou
Photographs=Ichisei Hiramatsu