この記事の連載
◆『あした死ぬには、』雁須磨子
「生きていくのは大変だけど楽しい」(作家 彩瀬まるさん)
突然の病気や更年期障害、お金の不安……現代を切実に生きる女性たちの「40代の壁」を、時にコミカルにあたたかく描くオムニバスシリーズ。
「もう大人だし、大抵のことには動じない。そう思ってくたびれていた心がふつりと弾け、真新しい自分が芽吹いていく気持ちよさがたまらないです。生きていくのは大変だけど楽しいなと、本を閉じてからもうれしさが続きます」(彩瀬さん)
『あした死ぬには、』雁須磨子
太田出版 各1,320円 既刊3巻
彩瀬まる(あやせ・まる)
作家
1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞。著書に『くちなし』(文藝春秋)『森があふれる』(河出書房新社)など。
◆『図書館の大魔術師』泉光
「あれ、人類にはもう一つ歴史があったっけ?」(イラストエッセイスト 犬山紙子さん)
書物が特別な力を持つ世界。
混血で迫害されている主人公・シオは、全ての本が存在するとされる中央図書館の司書を目指す。
「圧倒的な世界の作り込みに、もう一冊の聖書?と思わされる。魅力的なキャラ満載の王道ファンタジーかつ、思想や宗教の違い、戦争により起こる差別、貧困や性別による不平等も描かれる。描き込みと絵の美麗さ、見せ方と、どれをとっても超一流」(犬山さん)
『図書館の大魔術師』泉光
講談社 748~792円 既刊6巻
犬山紙子(いぬやま・かみこ)
イラストエッセイスト
多くの雑誌で執筆のほか、テレビ、ラジオでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった』(ポプラ文庫)。
2022.09.19(月)
Text=Kozue Aou
Photographs=Ichisei Hiramatsu