2022年4~7月にCREA WEBで反響の大きかった記事ベスト7を発表します。カルチャー部門の第7位は、こちら! (初公開日 2022年5月13日)。

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一児の父であるライターSYOが斎藤 工に訊く「映画業界の育児と時代」

 あれは2020年の秋のことだ。俳優・斎藤 工が監督・齊藤工として竹中直人・山田孝之と共に作り上げた映画『ゾッキ』の公開に向けて、オフィシャルインタビューをさせていただくことになった。その際に工さん(本稿ではこの表現をご容赦いただきたい)から伺った言葉。「齋藤組は、2019年から託児所を設ける活動を始めました」。

 彼は移動映画館プロジェクト「cinéma bird」の発案者であり、井浦 新・渡辺真起子との共同プロジェクト「Mini Theater Park」のメンバーとしても精力的に活動中。映画を「作る」「届ける」だけでなく、職場として「整える」ためにも日々動いているのだ。件の託児所の設置も、その一環といえる。

 映画業界を、もっと風通しの良い場所へ――。そんな信念を持つ工さんが、Netfilxシリーズ『ヒヤマケンタロウの妊娠』に主演するのは、必然かもしれない。本作は、予期せぬ妊娠をした桧山(斎藤 工)とそのパートナー・亜季(上野樹里)の奮闘を通し、「仕事と育児」の在り方を改めて問う意欲作。本作の現場でも、託児所を設置したという。

 アップデートが叫ばれる映画業界で、挑戦し続ける斎藤工。彼と共に、いまの時代の育児を考える。

――『ヒヤマケンタロウの妊娠』、様々な対話の契機となる素晴らしい作品だと思います。

 ありがとうございます。光栄です。

――自分の話で恐縮ですが、僕自身1歳の娘がおり、本作で投げかけられる「妊娠・出産・育児」の現状と課題について非常に共感しました。

 えっ、そうなんですか! SYOさんはいつ映画を観ているんですか(笑)。タイムスケジュールが知りたい……。

――娘が寝たあと、夜中に……。後は娘が保育園に入るまでは、妻に見てもらって試写や取材に参加していました。大体娘のお風呂が18~19時なので、なるべくそれまでに帰宅できるように組んでいただいて。

 そうだったんですね。お風呂はSYOさんの担当なんですね。

2022.08.10(水)
文=SYO
撮影=平松市聖