シドニーの古い穀物倉庫が最新ブティックホテルに

◆エイデン・ダーリング・ハーバー

 超高層の最先端ホテルから、歴史的建造物を改装したクラシカルなホテルまで、選択肢が豊富なシドニー。一度は泊まってみたい魅惑のホテルがたくさんあるなかで、今回は2022年2月にオープンしたばかりの「エイデン・ ダーリング・ハーバー」を訪ねてみました。

 シドニー・シティのウォーターフロントで躍進している注目エリア、ダーリング・ハーバー。

 かつての倉庫街が、現在ではグルメ、ショッピング、エンターテインメント施設が集まる人気地区へと生まれ変わっています。

 この地に1930年代に建てられた古い穀物倉庫をリノベーションした「エイデン」は、宿泊特化型のブティックホテル。館内に入ると1階にはバー&カフェが。

 朝は自家製パンやクロワッサンを、地元の “LOVE TEA” などとともに提供。お昼から夜にかけては、ワッフルやサンドイッチ、豊富なドリンクメニューを味わえます。

 こちらのホテルで話題を集めているのが、巨大なウォールアート。高さ25メートルの大画面に、サンシャイン・コーストを拠点に活躍するアーティストのジェシカ・ル・クラークさんが手描きしたものです。

 しかも、このアートを鑑賞できるのは、〈THE EXIHIBITIONIST〉と、ネーミングも遊び心たっぷりなお部屋に宿泊するゲストのみ。

 客室に入った瞬間、窓の外のアートに誰もがサプライズ。なお、このタイプのお部屋はシングルのみとなっています。

 2名で利用できるツインやダブルは、部屋の壁にハンドペイントが。オーストラリアの大地が育む草花をモチーフに、ナチュラル感のある空間が素敵。

 客室はいずれもコンパクトなスタイルですが、ドライヤーはdysonのスーパーソニックを用意するなど、こだわりのアメニティを揃えていて、うれしいかぎり。

 さらに、SDGsを意識したスペースもあります。象徴的なのが各フロアに設置されたウォーターステーション。

 ビアバーなどで見かけるタップが設えられていて、部屋に用意されたガラスの “my ボトル” に自分で好きなときに水を注げる、という仕組み。スパークリング、スティルウォーターから選べます。

 ちょっと楽しいサステナブルな取り組みでも注目のホテルなのです。

2022.06.24(金)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵
協力=オーストラリア政府観光局