自分が楽をしたい。でもそれが女性の味方になったらもっと最高!
――時代と共にファッションの好みも変化してきたと思いますが、「アンティミテ(iNtimité)」を始めてから5年の間にも、好みに変化はありましたか?
やはり子供が産まれてからは、動きやすさを求めてパンツを好んで履くようになりました。服の好みは自分のライフステージからも影響を受けるんだなと思いました。
――服作りのこだわりにも変化はありましたか?
一時期、人気も高かったのでウエストがゴムの服を多く作っていたことがあったんです。私も楽ですごく好きだったのですが、ある時「ゴムばかりの服だと締まりがないな」と気づいて。
それからは、前部分はゴムを入れずにスッキリさせて、後ろ部分だけゴムのデザインにしたり工夫を重ねています。ただ、楽だからといってゴムが緩すぎるとポケットにスマホを入れた時にずり落ちてしまうし、固すぎると苦しい。毎回スタッフと「あー難しい!」と言い合いながら悩んでます。
機能性もさらに重視するようになりましたね。例えば帽子を作るにしても、撥水性やUVカット力のある素材にしたり、羽織り物にも撥水性をプラスしたり。5年前はそこまで考えが至らなかったですが、ちょっとずつ進化させています。
――アイデアはどこから湧いてくるんでしょう。
誰かとお話しする時も「袖がかわいいな」、「ここにステッチを入れるといいかも」とか、常に服を見ちゃいます。
ショッピングしていてもすぐ生地を触っちゃうんです。スタイリストさんに「その触り方はプロっぽいから、お店ではやめた方がいいよ」って止められてます(笑)。でもそうやってインプットしたものを、自分の洋服作りに生かしています。
――佐々木さん自身も、ご自分がデザインした洋服を着られますか?
ほぼ毎日着ています(笑)。クローゼットの中には5年前に作った服もまだ残っていますね。
もちろん、買ってくれた方に「一度着たら本当に気持ちよかった」とか、「4年経っても全然へこたれないよ」って言ってもらえることもすごくうれしい。もっと頑張ろうって思います。
――子育て世代にも、働く女性にも優しい服ですね。
洗いやすくてシワになりにくいとか、チクチクしないというこだわりは、自分が楽をしたいから生まれた発想。でもそれが皆さんにとっても幸せだったらうれしいですし、女性の味方になれたらもっと最高。これからも私は「楽で可愛い服作り」を頑張っていきたいと思います!
佐々木希(ささき・のぞみ)
1988年2月8日生まれ。秋田県出身。最近の主な出演作にNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」、舞台「醉いどれ天使」など。現在はドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ)に出演中。5月4日(水)より伊勢丹新宿店にてiNtimité POP UP STOREを開催。
『iNtimité ANNIVERSARY BOOK』
2022年5月2日(月)発売
佐々木希が手掛けるワンマイルウェアブランド“iNtimité”5周年を記念した初の公式本。限定特典には4WAYで使えるレザー調トート&バッグインバッグ。誌面では“iNtimité”の最新コレクションや佐々木希のロングインタビューを掲載。
全国書店・Amazonほかネット書店・宝島チャンネル・iNtimité公式HP
販売価格:本体2,650円+税(税込2,915円)
宝島社
2022.05.01(日)
文=松山梢
撮影=佐藤亘