聴くたびに好きになっていく「硝子の少年」

 25年前、KinKi Kidsが1997年「硝子の少年」でデビューしたときのことはよく覚えている。最初に聴いたときはこう思ってしまった。

 「ちょっと古臭くない?」

 いやもう当時の自分に言いたい。それがいいんだよッ、聴くごとに沁みるから! 

 イントロ、そして「雨が踊るバス・ストップ」という美しい出だし、「ステーイ・ウイーズ・ミー……♪」から始まるサビ!! センチメンタルとナイーブ・ハートを凝縮したような4分39秒。今では「心に届く絶対的信頼がある曲を提出せよ」と課題が出たら、これを出そうと思うほど大好きだ。

 そしてキンキのパフォーマンスは安心感はあるが毎回違う。音楽に対する温度調整がエアコンではなく焚き火的というか、すごくおいしいけど一つ一つ形は違う手作りのおはぎ感というか……。

 うおーッ、ぴったりの表現が出てこない。キンキを語るのは本当に難しい! ……とのたうち回っていたら、新曲のタイトルがズバリ私の思っている彼らのイメージを表してくれていた。「高純度romance」。2022年3月16日発売。楽しみ過ぎる!

2022.02.19(土)
文=田中 稲