しま遍路で久米島の魅力を五感で楽しもう!

 一周約23キロメートルの久米島は、徒歩でも約7時間で巡れる小さな島。

 車で周りながら風景を観察するのも楽しいけれど、歩きながらエリアごとに少しずつ異なる表情を眺めたり、人々の暮らしや文化、風景を五感で楽しめる島散策がおすすめ。

 イーフビーチやはての浜など美しいビーチが華やかな南東海岸エリアや、フクギが取り囲む赤屋根など伝統的景色が残る北部エリア、海を見下ろす丘陵地や里山風景が特徴的な仲泊エリアなど、それぞれの地域が持つ風情に癒やされる。

 普段歩き慣れていない方や、島内の観光名所をまんべんなく周りたいという方は、電動アシスト付き自転車の利用がおすすめ。坂道でも難なくスムーズにサイクリングでき、心地よい風を感じながらの爽快な島巡りを楽しめる。

 見どころの多い久米島の中でも、指折りの美しい海が望めるスポットが島の南東にある奥武島。

 久米島本島と新奥武橋でつながる周囲約2キロメートルの島で、周囲に広がるブルーグラデーションの海は息をのむほど美しい。

 また、白砂の浜辺に干潮時のみ姿を現す畳石も必見。亀の甲羅のような岩が敷き詰められた奇岩群は神秘的で、この岩の上を素足で歩くと負のエネルギーが浄化されるといわれている。

奥武島の畳石

所在地 沖縄県島尻郡久米島町奥武170
https://www.okinawastory.jp/spot/30000051

シンリ浜から眺める幻想的なサンセット

 久米島にはさまざまなビーチがあるけれど、サンセットを眺めるなら島の西側に位置するシンリ浜が絶好のスポット。

 昼に見られる白い砂浜とエメラルドブルーに輝く海の景色が一転し、夕刻には沈みゆく夕日で辺りがオレンジ色に染まる光景はまさに神秘的。次第に紫色のグラデーションが空を彩り、やがて波の音だけが響く夜が訪れる。

 プライベート感満載の静かなビーチで、優しい波の音を聞きながら眺める夕日はロマンティック。

 久米島空港の滑走路の目の前だから、夕焼け空とともに那覇から離発着する飛行機の迫力ある姿も見られるかも。

シンリ浜

所在地 沖縄県久米島町大原 113
https://www.kanko-kumejima.com/members/shinri-beach

2022.01.27(木)
文=佐藤由樹
撮影=深野未希