「球美の島(くみのしま)」と称えられ、県内に数ある島々の中でも際立つ美しさを持つといわれる久米島。

 手つかずの自然が残るのどかなこの島では、心癒されるような絶景の眺望と、大自然が育む食材を生かした伝統料理が堪能できる。

 ふと日々の疲れを感じたり、日常から離れて一人になりたいと思うとき、久米島を訪れてみれば非日常の世界に身も心も解放されて、自然と笑顔へと導かれる。

 そんながんばる女性の一人旅にもおすすめしたい、癒しの楽園久米島の魅力をご紹介。

※12月上旬の取材記事になります。


 沖縄県本土から西へ約100キロメートル、那覇空港から飛行機で約30分の場所にある久米島。島全体が県立自然公園に認定されており、青い海と雄大な自然、島独特の文化や歴史が息づく悠久のリゾートだ。

 沖縄といえば夏のイメージが強いけれど、年間を通して温暖な久米島は冬も旅行におすすめの季節。

 日差しが穏やかで滞在中も活動しやすく、羽織ものを一枚持っていればどこに行くにも安心。さらに、空気が乾燥しているから、夜空に輝く月や星もよりドラマティックに魅せてくれる。

オーシャンビューと美食で、大人の上質な時間を堪能

 久米島空港から車で約3分、島随一の景勝地であるシンリ浜に面した絶好のロケーションにあるサイプレスリゾート久米島。

 南国のリゾートさながらの壮大な青い海の景色が望め、洗練された上質な空間はラグジュアリーな気分を高めてくれる。

 このホテルには「癒し」をテーマとした、「球美の島」を五感で味わう空間づくりとサービスが満載。

 その真髄がよく表れているのが、1階にあるレストラン「凪なぎ-Calme-」。和とフレンチの技を融合したシェフ自慢の創作料理には久米島産の食材がふんだんに使用され、どの席からもガラス窓を通してエメラルドブルーに輝く海が眺められる。

 久米島はほとんどの食材が島内で手に入るといわれるほど食糧が自立しており、野菜から果物、食肉や海鮮まで、あらゆる食材を島内の生産者から仕入れることができるそう。

 そのため、料理に使用される食材は朝採れの新鮮なものばかり。さらに、久米島特産のたいら味噌や海洋深層水から作られた天然塩により、素材の持つ本来の味わいが忠実に引き出されている。

 車海老や海ぶどう、紅芋などが特産物として有名だけれど、意外と知られていないのが牡蠣や赤鶏。

 久米島の海洋深層水によって畜産浄化した牡蠣は、栄養価が高く鮮度が保たれ、ウイルスや細菌も99.9%除去されているから、おいしさと安心のレベルが高い。

 洗浄力が高くミネラルやマグネシウム、カルシウムをたっぷり含んだ海洋深層水は、久米島でさまざまな業種に活用されており、今世界中から注目を集めている一大産業なのだ。

 そして、料理長の戸嶋シェフがどの鶏よりもおいしいと絶賛するのが、久米島赤鶏。月桃や泡盛の絞かすをエサにして育てた赤鶏はくさみが一切なく、味が濃く旨味も濃厚。

 柔らかくジューシーで歯ごたえもしっかりあり、スパイスに負けないほど味がしっかりしているから、お造りやしゃぶしゃぶで食べるとそのおいしさをダイレクトに実感できる。

 農業から漁業、畜産業まで盛んな久米島では、生産者との距離が近く、新鮮でおいしい食材が手に入るのが大きな魅力だと戸嶋シェフは言う。

 この島の豊かな恵みを身体の中に直接取り入れることで、外側からも内側からも幸福感で満たしてくれる。

サイプレスリゾート久米島 レストラン 凪なぎ-Calme-

所在地 沖縄県島尻郡 久米島町大原803-1 1F
電話番号 098-985-3700
https://www.cypresshotels.jp/kumejima/

2022.01.27(木)
文=佐藤由樹
撮影=深野未希