ずっとキレイでいる必要はないと思っている

――俳優というお仕事柄、お肌がピカピカだと説得力が出ない役柄もあるのでは?

 そういう役をいただいたときは、好き勝手食べます。数年前にドラマ「絶対正義」であまり外見を気にしないキャラクターを演じたのですが、そのときは朝7時からアメリカンドッグを食べたりもしていましたから。共演した田中みな実ちゃんからは「朝からアメリカンドッグ食べるなんて信じらんない!」って言われましたけど(笑)。

 その時期は当然、肌の調子はよくなかったのですが、俳優はずっとキレイでいる必要はないと思っています。外見がキレイだと説得力が出ない役が来ると、好き勝手できる解放感を逆に楽しみます。役が終わったらまた元に戻せばいいですから。本当はアメリカンドッグとかジャンクフードも好きなので。

――では、普段キレイな肌でいるためにしている努力はどういったモチベーションなのでしょう?

 今のテレビってすごく画質がキレイじゃないですか。特にドラマに出させてもらうときなんかは、肌が荒れて化粧が厚くなると、そっちが気になってしまうだろうなと思って。だから隠すものを減らす努力をしている感覚です。

 前にドラマの撮影中に吹き出物ができたときがあったんです。そうしたらメイクさんがカメラマンさんや照明さんに「こっちに吹き出物があるので逆から撮ってください」と話をしに行っていて。そのときに申し訳ないなと思ったんです。前の日にあった吹き出物がせっかく治ったのに、次の日に違うところに吹き出物ができたから「画がつながらない!」ってこともありました。本当にごめんなさいって思いました。

 写真集のような静止画の場合は美容に力を入れますが、映像の場合には基本的に自分の見え方を気にすることはしないんです。ただ、スタッフのみなさんに迷惑をかけないように、そして自分がお芝居に集中できるように、最低限のケアをしている感覚です。

桜井ユキ(さくらい・ゆき)

1987年2月10日生まれ。福岡県出身。最近の出演作にドラマ「イチケイのカラス」、「真犯人フラグ」、映画『コンフィデンスマンJP』、『マチネの終わりに』など。NHKよるドラ「だから私は推しました」で第46回放送文化基金賞演技賞受賞。

桜井ユキ ファースト写真集『Lis blanc』(リス・ブロン)


2021年12月22日(水)発売
撮影 ND CHOW
定価 2,970円(税込)
SDP
http://www.stardustpictures.co.jp/book/2021/lisblanc.html
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

2021.12.29(水)
文=松山 梢
撮影=杉山拓也
ヘアメイク=石川奈緒記
スタイリスト=李靖華