2021年10月に、熊本県の観光牧場から23羽が脱走し、一躍脚光を浴びた鳥、「エミュー」。人懐っこく穏やかな性格であることや、体長最大2メートルにも成長すること、時速50キロで走る脚力を持つことなどが報じられた。
東京から車で1時間ほどの山で、会社員をしながらエミューと暮らす砂漠さん(@eli_elilema)に、エミューがいる暮らしや、会社員生活との両立について聞いた。
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——先日、熊本県でのエミューの脱走が大きく報じられました。エミューの「エミューちゃん」を個人飼育されている砂漠さんですが、ニュースはどのような気持ちで見ていましたか?
砂漠 他人事ではなかったです。エミューちゃんも、以前、知人の農場に行った際に柵の中に入れたら、餌箱を踏み台にして1.6メートルの高さを超えて出てきてしまったことがあるんです。その時は柵が二重になっていたので何事もなかったのですが、それ以来、すごく気をつけています。
——今日は砂漠さんのお宅に伺っていますが、こちらに移住したのはいつですか。
砂漠 今年の1月です。もうすぐ1年になります。
——移住は、どういったきっかけで。
砂漠 もともと農園や牧場に憧れがあって、畑仕事ができるような物件を探していたんです。仕事の関係で都内の移動が結構あるので、東京に出やすくて、山の中にあって……という条件で探していたら、この物件を見つけた感じです。
——一軒家を丸ごと借りているのですか。
砂漠 そうです、そうです。1階と2階合わせて、7部屋あります。庭には納屋があって、エミューちゃんが来た頃はそこで飼おうと思っていたんです。なぜか今は室内飼いになっているので、1階の一室をエミューちゃんの部屋にしているんですけど。
——エミューちゃんは友人に勧められて飼い始めたと聞きましたが、勧められた時の心境は?
砂漠 最初は友人が雛の間だけ育てて、大人になったら私に譲り渡すという提案だったので、育てるのを手伝ってくれるのかが心配でしたね(笑)。例えば友人の家でエミューがたくさん生まれてしまったらどうするのかとか、餌代を払えなくなったらとか、それこそ脱走したらとか。
2021.11.25(木)
文=「文春オンライン」編集部