豊かな自然の中でキャンプ生活を楽しむグラピングブームが加速中の今、千葉県市原市に2020年にオープンしたアニマルグランピング施設「ザ・バンブーフォレスト」が話題だ。その名の通り、竹林に囲まれた静かな森で過ごしながら、隣接のふれあい動物園「サユリワールド」で動物たちと遊べるという、癒され度マックスのスポット。さっそくその魅力を体験しに訪れてみた。

動物園とコラボしたグランピングは癒やしが必要な大人こそ心掴まれる

 千葉県市原にある「ザ・バンブーフォレスト」は都心から車で1時間ほどという驚きの近さ。アーチ型のかわいい門をくぐると、カフェ&バーがあり、そのレセプションカウンターでチェックインをする。小道を進むとうっそうと生い茂る竹林の中に個性の違う6つのグランピング施設が集結しており、風が吹くとざわざわと葉の擦れる音が何とも心地いい。時間の流れが緩やかに感じる。

 のんびり散策していると何やら動物の鳴き声が……。「ザ・バンブーフォレスト」の魅力のひとつが隣接している動物園に遊びに行けること。映画『星になった少年』の舞台となったアニマルワンダーリゾウト「市原ぞうの国」に隣接する、ふれあい動物園「サユリワールド」の入場券が宿泊費に含まれており(サユリワールドの定休日を除く)、開園時間中はいつでも行き来ができるという楽しさ。

 さっそく動物たちに会いに園内に入ると、いきなりシカが人懐っこく鼻を近づけながらお出迎えしてくれ(エサが欲しかった様子)、あれっ、イメージしていた動物園とまるで違う!!

 そうだった。ここは、キリンやカピバラ、ワオキツネザルなど約30種類のアニマルたちに直接触れ合うことができる、アットホームな動物園。ゲージに入るとワシキツネザルが肩に乗ってきたのでエサやりをしてみたり、ニワトリが走り回っていたりと、主役はあくまでも動物たちという自由さにわくわくする。

 個人的に大興奮したのはカピバラの愛らしさ。鼻の下が長くファニーフェイス(のろまな動きも面白い!)のカピバラたちは、お腹をワシワシさするとお腹を見せて寝転ぶ。その動作がなんともかわいく、家に連れて帰りたい! と思ってしまうほど夢中に。

 階段を登ったところにあるキリンテラスではキリンの目線で餌やりができ、実際にニンジンをあげてみると、長い舌をにょろりと出して器用にニンジンを取る様に驚かされる。

 そのほか、カメやカンガルー、ラクダなど、自分のペースでのんびり過ごす動物たちと触れ合いながら、無邪気に遊べる時間は大人こそ必要なのかも……と実感。毎日の生活に追われる日常から開放され、晴れ晴れとした気持ちになれるのだ。

 1~2時間あれば巡れるコンパクトな動物園。訪れたのは平日だったこともあり、見渡してみると人間より動物のほうが多い! そんな新鮮な体験ができるスポットでもある。

2021.10.27(水)
Text=Mayumi Amano
Photographs=Nanae Suzuki