ジェーン・スーさんと堀井美香さんによる人気ポッドキャスト「OVER THE SUN」の初のイベントが10月、オンラインで開催されました。リスナーでもあるCREA編集部のIが、TBSラジオのスタジオを見学してきました!
「おばさんポッドキャスト」がなぜ人気?
ポッドキャスト「OVER THE SUN」を知っていますか?
コラムニスト・ラジオパーソナリティのジェーン・スーさんとTBSアナウンサー堀井美香さん、2人のトークだけで繰り広げられる番組。毎週金曜日の17時に新エピソードが公開されます。音楽もない、おしゃべりだけの30分間という設定で、だいたいいつも60分を超えます。
今年3月に発表された「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」では、ベストパーソナリティ賞とリスナーズ・チョイスの二冠に輝きました。現在も、ポッドキャストの総合ランキングで安定してベスト10以内に入っています。
スーさんが命名した「OVER THE SUN」とは、虹の彼方よりもっと遠く“太陽の向こう側”を目指すという意味合いですが、略してオヴァサン、つまりおばさん。
40代後半のスーさんと堀井さん、2人のおしゃべりで構成される、「おばさん」世代のための番組なのです。
何歳になっても自分をそう呼ぶのが躊躇されるような、あるいは自虐的には言えても他人には呼ばれたくない言葉となってしまった「おばさん」というワード。
この「おばさん」を、侮蔑の意味を洗い流して、本来の親しみを込めた中年女性の呼称として、積極的に使いたい。番組の姿勢は画期的でした。
いま「OVER THE SUN」は、20~70代、中年だけでなく幅広い世代の女性たちのオアシスとなっています。
リスナーたちは「おばさん互助会」。番組内で読まれるメールはどれも秀逸で、優しさとユーモアと知性が感じられるものばかり。海外在住の日本人リスナーからのメールもちらほら。
メール投稿するときのいわゆるラジオネームは、「おばさんネーム」と書くのがリスナーの中で定着し、30代以下だと「生まれたてのおばさん」や「おばさんの卵」などと本人が添えたりしています。
メールの冒頭はアラレちゃんの「おはこんばんちは」(昭和50年代!)、終わりは時候の挨拶と「ご自愛ください」で締めくくるのがすっかり様式美となりました。
2021.10.22(金)
文=CREA編集部
撮影=深野未季