ドラマ『トーキョー製麺所』(MBS/TBSドラマイズム枠)で初共演となった吉野北人さん(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)と栁俊太郎さん。

 うどんチェーン店が舞台となる本作にて、ふたりは、蝶ネクタイ姿の一風変わった店長(吉野さん)&長年お店を仕切っているバイトリーダー(栁さん)のコンビとなった。

 ドラマの撮影中は、「役に影響が出るのが怖いのもあって、なかなかフラットに話せなくて……」と寂しそうな吉野さんだったが、取材日という1日を通して、だいぶ距離が縮まった様子。

 インタビュー中、「今日(ふたりの関係の)コシが強くなった(笑)」と栁さんがうどんに例えて言えば、吉野さんも「ちぎれないうどん、みたいな(笑)!」と、息の合った返しをするほど。

 気になるふたりの化学反応を、インタビューから存分に受け取ってほしい。

これまでダサい役を演じたことがなかったので戸惑いました(吉野)

――『トーキョー製麺所』のオファーを受けて、いかがでしたか?

吉野 最初、台本がない状態でお話をいただいたんです。衣装合わせのときに、監督と内容や役のことをお話ししました。そのとき、「ちょっとダサいイメージでやりたい!」と言われたんです(笑)。これまで、ちょっと抜けているダサい役を演じたことがなかったので、とにかく戸惑いました。

 僕の演じているうどん屋店長の赤松は、自分の性格とは本当に真逆です。僕はマイペースでゆったりしているけど、赤松はハキハキ喋るタイプ。物事をズバッと言ったり、自分の信念を大事に生きているんです。

 けどそれって、もっと自分らしくしていいし、自分が思っていることを堂々と発信して行動してもいいんじゃないか、という作品のメッセージだと僕は受け取っていて。コメディタッチではありながら、そうした熱いメッセージもある作品だな、と思いました。

 吉野くんがやっている赤松も、僕が演じるバイトリーダーの青井も、うどん店で働いているキャラクターは全員が本当に濃いんですよ。コメディがベースで、すごくバカっぽいし、ダサいところを見せていくんですけど、吉野くんの言う通り、各人に熱い思いもあったりして。そこが、愛おしく思えるようになっている作品だと思いました。

 それに、監督はすごく面白い芝居をつける人で(笑)。間の作り方とか、「こういうリアクションをして」って、まず監督がやるんです。その顔がめっちゃくちゃ面白いから「いや、これは超えられないけど……!」と思いながら毎回演技していて。

吉野 本当ですよね! 実際に、監督が歩いたり、やって見せてくれるんです。僕にはできないと思ったりしながらも、すごく勉強になります。だからか、終わった後には疲れが本当にどっとくる(笑)。

 「自分じゃない人間を演じるって、こんなに大変なんだ」と思いますし、日々葛藤しながら、反省しながら、プレッシャーもありながら撮影しています。役者として考える部分もすごく大きくなりましたし、楽しんでやっています。

2021.09.01(水)
文=赤山恭子
写真=鈴木七絵
ヘアメイク(吉野)=大矢佑奈
スタイリスト(吉野)=中瀬拓外
ヘアメイク(栁)=吉田太郎
スタイリスト(栁)=大島リク