CREA WEBで大人気の占い連載「オンナの算命学」を手がける東京ケイ子。この新連載では、古代中国で生まれた運命を算出する学問である「算命学」をもとに、東京ケイ子が今輝いている“華ある人”の深層に迫ります。
第一回目のゲストは2021年3月に女の子を出産し「今が42年の人生の中で一番癒されている」と語るお笑い芸人の平野ノラさん。ノラさんの宿命、そして人生の転機とは? 思わず頷く驚きの指摘とメッセージ……。“華ある人”の背景を読めば、あなたの人生も怖いものなんてない!
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二度生まれ変わる知的なクリエイター 平野ノラ
ケイ子 古代中国の王朝で発展した帝王学でもある算命学をもとに、今回ノラさんの宿命と人生のバイオリズムについて占わせていただきました。
生まれ持った星と、これからのこと。そこから、ノラさんの人生に名前を付けるとしたら、ズバリ「二度生まれ変わる知的なクリエイター」と言えるでしょう。一つひとつ解説していきますね。
人間には持って生まれた宿命があり、それは生涯変わることはありません。ノラさんが持っている宿命は5つ。その中のひとつが、ご自身から新たに家系の流れが始まる「初代運」です。この宿命を持つ人は、反骨精神と開拓スピリットを持ち合わせています。
ノラ ああ、反骨精神はありますね。芸能界にはそれで入ったようなものです。
ケイ子 そして、キーパーソンはお父さんのはず。何か強い影響を受けていませんか。
ノラ おったまげ! 父親は不動産業で、バブルの時に土地転がしをしていたんです。子どもの頃、テーブルの上によく父の手帳が置いてあって、ものすごい桁の目標金額と「絶対決める!」みたいな走り書きがあるのを見て格好いいなと思っていました。
ある時「お父さん、仕事楽しい?」って聞いたら「おう、俺の天職だよ」って返ってきて。いつもイキイキしている姿を見て、こういう大人になりたいと憧れましたね。バブリーを体現してるような父だったので、バブルネタの教科書にもしていました(笑)。
ケイ子 別の宿命でいうと、「堅実な大器晩成運」と「知的でやや気の強いリアリスト」という面も。芸人さんにはこの星を持っている人は少なくて、むしろ実業家に多いタイプです。一か八かの勝負に出るというより、緻密なマーケティングのもとに行動を起こしているのではないでしょうか。
ノラ 実はそうなんです。かなり戦略は立てているほうです。
ケイ子 コツコツ努力を重ねて手堅い人生を歩もうとするので、前半より後半で人生が大きく花開きます。
ノラ 確かに……。20代は芸人になりたかったのにうまくいかなくて、挫折の連続でした。30歳を過ぎてもう一度チャレンジしたんですが、20代の失敗があったからうまく戦略を立てられたのかもしれません。
ケイ子 そして「知的クリエイター」としての宿命です。繊細な感性の持ち主で、常に何か満たされない思いがある。もっとよくなると信じて、理想と現実のギャップを埋めていくことが表現力の源になっています。
ノラ 同じことをし続けてはいけない、進化し続けなくてはいけないというのは、芸人になる前から考えていたことですね。
ケイ子 成功できたのも、クリエイターとしてしっかりセルフプロデュースをされてきた結果ではないかと感じます。
ノラ ピン芸人はセルフプロデュースが大事なんです。芸能界では、売れてから1周回ると言われます。あちこちのテレビに出て、一通りチャンスをもらうんですが、1周回ってから第2のキャラクターを始めるのでは遅い。
だから自然とお茶の間に馴染めるように、バブル衣装の肩パッドのワタを少しずつ抜き、太い眉をミリ単位で細くしていったんですよ。誰にも気づかれないように、事務所の目もかいくぐって1周していく中で徐々に進化を遂げていきました(笑)。
そこへブラジャーのCMが決まって、いいタイミングでナチュラルな姿をお見せすることもできたんです。
ケイ子 あのCMは「美しい」「色っぽい」と話題になりましたね。そう、ノラさんの宿命には「独特な色気」もあるんです。「知的クリエイター」と「独特な色気」を両方持っている人は、芸能界でいうとオノ・ヨーコ、豊川悦司、柴崎コウ、ニコール・キッドマン……。
ノラ そして平野ノラ!? 凄いメンツに仲間入りしてますね!(笑)。
ノラさんの人生は厳しい戦いの人生から始まります
ケイ子 算命学では、すべての現象に一定の法則があると考えられます。人間もまた然りで、誰しも約10年ごとに感覚や価値観が変化するバイオリズムを持っているんですね。ノラさんの場合は、4のつく年齢で変化が現れる4歳運。14歳、24歳、34歳……というように4のつく歳の前後で大きく人生が変わるため、その前後に大きな分岐点を迎えることになります。
そうして占ってみると、ノラさんの人生はかなり厳しい勝負の世界から始まると出ているのですが……。
ノラ そうです! 小学生からバレーボールをやってたんですが、それが軍隊みたいに厳しい強豪チームだったんです。鼻血が出ても、骨折しても、歯が折れても休めない。全国大会の決勝戦の後に涙を流す姿が放映されたのが、私のテレビデビューでした。
辛かったけれど、辞めたいなんて言える状況じゃありませんでしたね。今どんなに辛いことがあっても、あの頃と比べたら何でもない。31歳になって芸人を目指した精神力の強さも、全てバレーボールで鍛えられたものです。バリバリの体育会系なんです。
ケイ子 でも、宿命としては体育会系ではなくて頭脳派なんですよ。
ノラ え、そうなんだ! 確かに10代は、楽しいというより苦しいばかりでした。
ケイ子 14歳からは責任を負うと出ていますね、まわりを牽引する立場でしたか。
ノラ そう、ずっとキャプテンです。中高ではチームをまとめなくちゃと、周りを笑わせたり和ませたりしていたんですが、その経験が芸人に繋がったのかもしれません。
ケイ子 我を通すより、周りを調整していくタイプなんですね。そして24歳からは、いよいよ人生が動きはじめます。20代は挫折の連続とおっしゃいましたが、何かに阻まれることもなく、自分でやりたい道を選ぶことができたという意味では悪くない。そして、30歳、31歳が天中殺。愛情が壊れるか、お金がなくなるかという時期です。
ノラ そうです、バブル崩壊です(笑)。プロポーズされた当時の恋人と別れて芸人の道を目指したのがちょうど31歳です。
2021.07.06(火)
文=東京ケイ子
イラスト=中村桃子