肩パッド入りのスーツにソバージュ、そして派手なメイク。「OKバブリー!」の掛け声と80年代を彷彿とさせる「バブルネタ」で一世を風靡した平野ノラさん。そんなノラさんは2021年3月2日に女の子を出産、一児の母になりました。

 愛娘“バブ子”のことを話すノラさんの表情は柔らかく穏やか。40歳オーバーの妊活、そして出産、母になった現在のこと、これからの思いなど、ありのままを語ってもらいました。

実はコロナがきっかけだった妊活

 初めて妊活を考えたのは去年の4月ごろ。それまで意識したこともなかったんですが、コロナの影響で一時的に仕事がなくなってしまって。自分だけが休みだったら「マジやばい! なんとかしなくちゃ」って焦ったと思うんですが、あの時はエンタメ業界全体がお休みになっていたじゃないですか。だから気負うことなく、本当にリラックスして心と体を休めることができたんです。

 もともと仕事が大好きなので、コロナがなければあのままずっと働き続けていたでしょうね。ようやく忙しすぎた自分に気づいて、改めてこれからどうやって生きていこうかなとなった時、あれ、もしかして子どものことを考えてもいいのかなと漠然と思うようになりました。夫も賛成してくれましたし、とりあえず1年間頑張ってチャレンジしてみようとなったんです。

 でも、もう41歳だし体温も低いし、妊活するなら冷え性を治さなくちゃと考えて、まず温活から始める戦略を立てました。妊活は大変そうだしどうなるかわからないけれど、温活がうまくいけば健康になれる。そのうえ子どもができたらなおラッキーと思ったんです。幸いなことに、体温も1度上がってぽっかぽかの体になったし、数か月で見事子どもを授かることができました。

出産後は母性満開、瞬き禁止令を発令中です

 出産は「おったまげのぶっとび~!」レベルの痛さを超えてましたね。陣痛がきてもなかなか生まれなくて、何をしてもステイ羊水で(笑)。最終的には緊急帝王切開でした。あのお産フルコースの経験はもう無理です(笑)。

 出産後は、自分でも驚くほど母性満開になりました。バブリーなほど母性が溢れてます(笑)。生む前はマネージャーに「仕事はすぐ再開する」って宣言していたんです。でも、生まれてから毎日変わっていく娘の姿を見ていたら、成長を見逃したくない気持ちが強くなって、「瞬き禁止ね!」って自分に命じるくらい、一瞬も目を離したくなくなってしまいました。「なに、この幸せ!?」って毎日感動しています。

 2か月で仕事に復帰したんですけれど「もしかしてまだ仕事しないでいいかな?」とマネージャーにこっそり相談したくらい。いや、やっぱり無理だよね、自分でやりたいって言ってたもんね、ってなりましたけれど。

2021.06.27(日)
文=嵯峨崎文香
写真=深野未希