どこか遠くへ出かけなくても、目線を変えるだけで見える景色は変化する。歩くたびに変わる風の匂い、草木の色。
小さな発見をもたらす愛犬イブちゃんとのお散歩が、女優 山下リオさんの日々の癒やし。
「役作りのストレスはイブと自然が癒やしてくれる」
映画『あのこは貴族』、ドラマ「RISKY」といった話題作に立て続けに出演し、演技派女優として存在感を一層強めている山下リオさん。
プライベートでは、トイプードル×チワワミックスのイブちゃんとの生活を「#ぶーさんの日常」のハッシュタグでSNSに綴る愛犬家だ。
「子どもの頃は、動物たちと自然に囲まれて暮らしていたんです。常に犬や鳥がいる家で、私も怪我した生き物を見ると放っておけず、連れて帰ったことも。
上京してからは、犬を飼いたいと思っていたものの、『運命の出会いじゃないと!』という気持ちもあり、なかなか叶いませんでした。探し続けて4年ほど経って、やっと『あ、この子だ!』と一目惚れしたんです」
イブちゃんを迎えて8年目。どんなに忙しくても、必ず1日1回は愛犬と散歩するという。
「多摩川沿いの景色を見ながら歩くのが好き。ときには台本を手にセリフをブツブツ言いながら(笑)。
お花屋さんに寄って部屋に飾る花を選んだり、少し遠くまで歩いてペットOKのカフェを探したり。
新しい家が建ってるね、池におたまじゃくしがいるね、って。なにげない毎日の発見が、私とイブの冒険なんです」
ロングヘアに大きな瞳のフェミニンなルックスから、インドア派なイメージを抱きそうになるが、実は登山や乗馬、スキューバダイビングを愛する行動派。
「撮影期間中であまり構ってあげられないときは、オフの日に海まで連れて行って、一緒に砂浜を走り回ります。
山に行くときはキャリーごとイブを背負って、4時間は歩けちゃいますね。
自然の中で思いっきり遊ぶことで私も息抜きできるうえ、役作りで溜まったストレスを発散してます」
今年でデビュー15年目を迎える28歳。この秋には20代最後の年齢になる。いま30代に向けて挑戦したいことがあるという。
「いつもカジュアルな格好ばかりなので、女性らしいスタイルをしてみたいんです。
これまではファッションよりも経験にお金を使ってきたのですが、今って外に出かけることが特別なことになっていますよね。
だから自分が好きな服で心地よく生きたいな、と思うようになって。イブとの散歩で、ピンクのフレアワンピースを着てみたい! 本当は好きなのに照れがあって着られなかった。
でもそれって、誰の目を気にして生きてるんだろ、と。そういうのをこれからは解放して、自分が機嫌よく生きられるようにしたいな」
山下リオ(やました・りお)
1992年生まれ。徳島県出身。3人姉妹の末っ子で趣味は登山、ドライブ。近作は映画『あのこは貴族』、『朝が来る』。7月期テレビ東京水ドラ25「8月は夜のバッティングセンターで。」に出演。
2021.06.27(日)
Text=Wakako Shudo
Photographs=Kotori Kawashima
Hair & make-up=paku☆chan