「ラーメン凪」といえば、2004年に新宿ゴールデン街のとあるお店で間借り営業を始め、「すごい煮干ラーメン」の日本一とも噂される煮干し感が話題となって、今や東京、埼玉、福岡などに多数の店舗をかまえる超人気店。
そんな凪が文春マルシェと共同開発した、ここでしか買えないラーメンが発売されたのだそう。ずばり「坦々麺」の「汁あり」と「汁なし」の2種。いずれも試食を何度もくり返し、麺・スープともに、確実に「すごい!」と思える坦々麺として納得の仕上がりになっているんだとか。
ラーメン凪には僕も行ったことがありますが、いや本当、美味しいを通り越して感動すらもらえる、強く記憶に残る煮干しラーメンでした。そんなお店がプロデュースする限定ラーメン。しかも「煮干し抜き」で勝負する一品。ぜひとも食べてみたい!
煮干しラーメンの名店が開発した坦々麺
ちなみに僕はお酒が大好き。せっかくの絶品麺ならばお酒とともにいただきたい。というわけで今回は、オーソドックスな坦々麺よりもお酒のつまみに向いていそうな「汁なし」の4食入りセットを注文。
冷凍された材料のうちわけは、麺、ごまだれ、特製挽肉、ターサイ、ラー油、花椒。お取り寄せラーメンにしてはかなりの小袋の多さですが、そのこだわり感にむしろわくわくしてきますね。
とはいえ作り方は簡単で、凍ったままの麺を熱湯で4分ゆでつつ、冷凍されたタレやひき肉を湯せんで解凍し、あとは基本、混ぜ合わせるだけ。もちろん辛味の強いラー油や花椒はお好みで量を調整しましょう。
説明書きには中太麺とありますが、かなりの太さに見えます。この冷凍の麺をゆでただけとは思えない魅力的なビジュアル、家で食べられるラーメンの域をいきなり飛び越えすぎてませんか……!?
う~む。「素」の状態でどう見ても美味しそう。ここに各種具材を加えたら、あっという間に完成です。
脳内が幸せ物質で満たされる一杯
いや~なんでしょうか、この、もう食べなくてもわかる美味しさ。存在感。ゆでた中華麺特有の香りに、ゴマやスパイシーな調味料のかぐわしさが混ざりあい、食欲がかきたてられることこのうえなし!
まず嬉しいのが、ぶっとい縮れ麺のブリンブリンの食感、それをガシガシとすすりこむ快感。あらためて、家でこんなクオリティーの麺を味わえるなんて驚きです。
それからごまだれのインパクト絶大の濃厚さ! 家で食べる料理としてはちょっと味が濃い目ですが、むしろそこに外食的な特別感がありますね。さらに挽肉の旨味や、ニンニク、ショウガなど各種調味料の香りが絡み合い、ラー油がコクと辛味を加える。そこに好みで調整しつつ花椒を加えてゆくと、単なる辛さとは違う爽やかさと、ピリピリと舌がしびれる快感がやってきます。
旨味、辛味、しびれ、さらにさまざまな食感と旨味。それを無心で味わっていると、なんだか脳内が幸せ物質で満たされていくようなトランス感が~。
また、たっぷり4食入りなので別の日は、さっとゆでた豚バラ肉に残ったタレを絡めておつまみにしてみたり。
2021.03.06(土)
文・写真=パリッコ