ふたりが考える、女友達との上手な付き合い方とは?

――結婚、出産、子育てなど、ライフステージによって女性同士の友情は変化していくもの。おふたりは、友情を築くために心がけていることはありますか?

水原 寛容であることかな。それが女性のみならず、すべての友人と関わるためのキーだと思っています。実は以前、あまりよくない人と付き合っている友達に恋の相談をされて、「それはよくないね。別れたほうがいいよ」と伝えたことがあるんです。

 でも、その子は恋人のことを愛しているわけだし、ものすごいエネルギーを注いでいるわけじゃないですか。恋人を否定したことによって、その友達と縁が切れてしまったことがあったんです。だから今は、相手の立場になって想像して、とにかく否定せずに話を聞いたり、味方でいてあげるようにしています。

門脇 希子ちゃんのそういうところ素敵だと思います。偉い! 私はそういう場合、昔の希子ちゃんと同じようなことを言っちゃうと思うな。もしそれで友達が離れていったら、それはしょうがないこと。気を遣ってばかりだとお互いに楽しくなくなっちゃうから。それか、距離を置く。今たまたまふたりがいる場所が少し違って、言葉が意図しないふうに刺さりあってしまうってこともあると思うので。そういうときは無理して会わず、またお互いに会いたいなというタイミングで、素敵な時間を過ごしたいと思います。

水原 そっか、なるほどね。

門脇 私がドライなのかもしれません。でも学生時代はよく相談をされるみんなの“相談箱”みたいな時期があったんです。でも疲れちゃったんですよね。悩んでいる人に自分なりの答えを届けても、逆に跳ね返されてこっちが傷つくことになるじゃないですか。

水原 わかる、わかる!

門脇 私も実はアツいほうなので、心配になっちゃうんです。だから、離れる時期があってもいいと思っていて。本当に縁がある子だったら、また時期があればきっと近づく時期が来ると思いますし。

――おふたりが仲良くなる人の共通点は?

門脇 男の子の友達が圧倒的に多くて、女の子の友達があまりいないんです。

水原 私も女の子よりゲイの友達が多いかも。学生時代はニコイチみたいな友達もいたけど、大人になると仕事や恋愛とか、それぞれの人生で忙しくなってくるから距離ができちゃいましたね。

門脇 私はもう、メンタルが“小学生男子!”みたいな友達が多いかも。

水原 そうなんだー!

門脇 私の中身が小学生男子だからね(笑)。釣りとかきのこ狩りに行ったりするので、「うおー! きのこあったぞー!」ってみんなで走っていく感じ。

水原 すごい楽しそう。私もアウトドアは大好き。元漁師だったネイリストの友達がいるんだけど、その子の恋人と一緒に茨城まで松茸を採りに行ったり、青森にキャンプに行ったり、みんなでおいしいごはんを食べたりしてる。仲がいい人たちはみんな芸術的なセンスがあって、その感覚を尊敬できたり共感できたりするんだよね。

門脇 それはわかる。魚を釣るにしても、ただただ大きい魚を釣りたい人とか、いっぱい釣りたい人とか、ゲーム感覚で釣る人とか、色々なんです。でも私の友達は、自分たちが食べられる分だけ釣って食べる人たち。きのこも根こそぎ獲るんじゃなく、次の年に生えてくる分も残して自然を保護しようという考えの人たちが集まっているんです。

水原 ステキ!

門脇 同じことで楽しめる人って、結局、性格も根本的に似ているから仲良くなれるんだと思います。

門脇 麦(かどわき・むぎ)

1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年に女優デビュー。主な出演作は映画『愛の渦』、『二重生活』、『止められるか、俺たちを』、『さよならくちびる』、連続テレビ小説『まれ』、ドラマ『トドメの接吻』、大河ドラマ『麒麟がくる』、など。『わたしは真悟』、『贋作 桜の森の満開の下』、『ねじまき鳥クロニクル』など舞台にも出演。今後は、主演舞台『パンドラの鐘』(4月14日〜東京芸術劇場シアターイースト)の出演を控えている。

水原希子(みずはら・きこ)

1990年10月15日生まれ、兵庫県出身。2003年にモデルデビューし、現在も多くの雑誌や広告で活躍。2010年に映画『ノルウェイの森』でヒロインに抜擢され女優デビュー。その後は、映画『ヘルタースケルター』、『進撃の巨人』、『信長協奏曲』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』、ドラマ『失恋ショコラティエ』、『家族のカタチ』、『グッドワイフ』などに出演。

映画『あのこは貴族』

裕福な家に生まれて結婚が女の幸せだと信じてきた榛原華子(門脇 麦)は、恋人にフラれてしまったことをキッカケにお相手探しに奔走。ついに育ちのいいイケメン弁護士の幸一郎(高良健吾)と出会い、プロポーズを受ける。富山に生まれ、ごく普通の家庭で育った時岡美紀(水原希子)は、猛勉強の末に名門大学に入学したものの、父親の失業をキッカケに大学を中退することに。全く接点のないふたりはある日、美紀が幸一郎の大学の同級生だったことから、高級ホテルのラウンジで対面することになる……。

監督・脚本:岨手由貴子
原作:山内マリコ『あのこは貴族』(集英社文庫刊)
出演:門脇 麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ ほか
2021年2月26日(金)全国公開
https://anokohakizoku-movie.com/

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2021.02.18(木)
文=松山 梢
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=吉田 恵(門脇)、小蔵昌子(水原)
へア=shuco(3rd/門脇)
メイク=石川奈緒記(門脇)
ヘアメイク=白石りえ(水原)