大自然の只中に佇むスタイリッシュな宿泊コテージ

 「キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ」で谷口シェフがこだわったのはオーベルジュというスタイル。レストランだけではなく、3棟の宿泊コテージが併設されている。それぞれのコテージは内装も大きさも異なり、ワイドキングベッド1台、和風マットレス3枚(エキストラマットレス1枚可)、ワイドダブルベッド2台となっている。

 全ての客室コテージの谷側は大きなガラス窓になっていて、ベッドルームだけでなく、バスタブからも四季折々の風景を眺めることができる。インテリアにはもともとこの場所にあった古民家の建具や家具があしらわれ、スタイリッシュでありながら温かみがある。

 客室コテージの奥にはサウナ棟がある。宿泊ゲストだけが利用できる、フィンランド式の本格的サウナだ。薪で焚かれた石に水をかけるとスチームサウナになるスタイル。脱衣場から直接テラスに出ることができ、冬は雪の中にダイブ、夏には鳥の声や小川のせせらぎを聴きながら涼むことができる。サウナで“ととのった”後に夕食をいただくのもいいし、朝サウナもいい。

 宿泊ゲストだけのもうひとつの楽しみは朝食。自家製の味噌や利賀村の食材を使い、伝統の保存食など、昔ながらの郷土料理を「レヴォ」流にアレンジ。1日の始まりにふさわしい、滋味深い朝食だ。ひと口たべる毎に身体に浸みて元気をくれる。

 「キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ」のホームページには、このオーベルジュを支える食材の生産者、器の作家・職人など、様々な富山の人々が紹介されている。知る人ぞ知る演劇の聖地・利賀村は、前衛的地方料理の聖地としても多くの人々を惹きつける場所となった。

 そして、オープンを待ちかねていた食通たちからの予約が殺到し、またたく間に週末の宿泊は半年先までほぼ満室という人気ぶり。1月下旬からはランチ営業も始まった。ランチでもディナーと同じメニューを楽しむことができる。

 雪が溶けたらまた来ようと心に決めた。そして夏になったらまた……。季節ごとの食材が楽しみで通いたくなる、桃源郷のようなオーベルジュだ。

Cuisine régionale L'évo(キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ)

所在地 富山県南砺市利賀村大勘場田島100番地
電話番号 0763-68-2115
https://levo.toyama.jp/

2021.02.05(金)
文・撮影=たかせ藍沙