●「M-1」ファイナリストの兄とブレイク時期が重なったのは偶然です(笑)

――これから30代に向けての展望は?

 今はたまたま、いろんな方に見出していただいて、お仕事が順調にいっていますが、30代、40代になったときに、今の芝居でいいかというと、絶対に違うと思うんです。自分自身に深みがないですから。

 そのためには、舞台に限らず、定期的に厳しい人とやらないといけないと思っています。

 厳しい経験があったうえで、映画『榎田貿易堂』のような、みんな仲良く楽しいご褒美みたいな現場がある。そういうバランスを取っていかないと、確実に自分が腐りますから。

――最後に、お笑いコンビ「オズワルド」のツッコミ担当である実兄・伊藤俊介さんが、ほぼ同時期にブレイクしたことについては、どう捉えていますか?

 めちゃくちゃ偶然だと思う! 兄は「M-1グランプリ」だけを見つめてきた男なので、去年初めて決勝まで行けて嬉しかっただろうし、その後にたまたまNHKアニメワールドの「映像研には手を出すな!」が放送されただけじゃないかと(笑)。

 「ウザい!」「鬱陶しい!」と思いながら、なんだかんだ家族が大好きなので、私の存在が何かのきっかけになればいいとは思っていました。

 お互いにとって、いい波が来るまでは、あまり大々的に兄妹ということを公表したくないという気持ちはありました。

 それで去年「M-1」を勝ち抜いたり、ネタ番組に出られたことで、兄のなかで、ちょっとだけ何かに近づいたという感覚があったと思うんです。

 それで、大々的に公表した感じですが、そのタイミングがちょうど良かったんですね。

『タイトル、拒絶』

雑居ビルにある事務所で、デリヘル嬢の世話係であるカノウ(伊藤沙莉)は、さまざま文句を突きつける彼女たちの対応に右往左往。しかも、人気No.1のマヒル(恒松祐里)が店に戻ると、部屋の空気は一変していた。ある日、モデルのような体型の若い女が入店したことで、店内の人間関係が崩れ始めていく。
http://lifeuntitled.info/
2020年11月13日(金)より、シネマカリテ、シネクイント他 全国順次ロードショー
©DirectorsBox

伊藤沙莉(いとう・さいり)

1994年5月4日生まれ。千葉県出身。03年、ドラマ「14ヶ月~妻が子供に還っていく~」でデビューし、「女王の教室」「GTO」などに出演。その後も、映画・ドラマ・CMなどで活躍。20年、「第57回ギャラクシー賞」 にてテレビ部門個人賞を受賞した。映画『十二単衣を着た悪魔』『ホテルローヤル』『蒲田前奏曲』などが、現在公開中。声優を務めたアニメ映画『えんとつ町のプペル』(12月25日公開)が控えている。

2020.11.12(木)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=AIKO
スタイリスト=吉田あかね