新たな気づきを与えてくれるChim↑Pomの作品

――大学院ではエドゥアール・マネ(19世紀に活躍したフランスの画家)を研究されていたそうですが、現代アートで注目しているアーティストはいますか?

 Chim↑Pomさんです。夏前には『May, 2020, Tokyo / A Drunk Pandemic』という自粛下の東京と、かつてヨーロッパで流行したコレラをテーマにした彼らのインスタレーションを体験しました。

 まさに今、2020年の状況と、過去に起こったパンデミックが密接に繋がるのを感じて心動かされました。

 「自分はこういう時代で、こんな世界で生きているんだ」とより、世界がリアルに見えてきたと言うか……。

――そんな和田さんも、コロナ禍という難しい状況で8月にセルフプロデュースのワンマンライブを開催しました。

 このような状況になったから逆にできることも増えていて、私自身は色々と模索しながら楽しんでいます。

 特に最近は配信が当たり前になったことで、今まではなかなか会場に来られなかった人たちにも生でライブを届けられるし、表現者としては自由度が増したと考えています。

 今後はライブハウスやホールを飛び出して森の中や工場、美術館など、もっといろんな場所でライブをしたい。演者とお客さんの垣根を取り払うのが最終目標です。
 

2020.10.16(金)
Text=Soh Kuroda
Photographs=Takuya Nagamine
Cooperation=The Sumida Hokusai Museum