2020年10月7日(水)発売のCREA11・12月合併号「きれいな人がしてること。」特集に登場してくれた、和田彩花さん。
誌面には載せきれなかったアートへの想いと、今後の活動について深掘りしました!
既存の考えを打ち壊してくれるアートという存在
2019年にアイドルグループ、アンジュルムを卒業した後も「アイドル」として活動する和田彩花さん。その心持ちは彼女のホームページにある「私の未来は私が決める 私は女であり、アイドルだ、」という力強く、潔い言葉からも感じられます。
そんな彼女がアイドル活動と並行して長年学び、見方や面白さを発信してきたのが西洋美術の世界。
そしてその過程において、強く惹かれることとなったのは、浮世絵の第一人者、葛飾北斎の存在だそう。
アイドル・和田彩花が語る北斎の魅力、自身の表現に対する想いとは。東京・すみだ北斎美術館で伺いました。
――葛飾北斎に興味を持ったきっかけを教えてください。
北斎って職人気質で、亡くなる直前まで画法を研究し、散らかった部屋でひたすら描き続けた人なんです。
当時、北斎の浮世絵は蕎麦一杯の値段で買えたと言われていて、それだけ豊かな文化が庶民の間にあったということですよね。
そしてそれがゴッホやモネにも影響を与え、世界中で評価されるようになったということに感銘を受け、興味を持ちはじめました。
――美術館にも、北斎が床に這いつくばって描く姿の再現模型が展示されています。
そんな姿や、作品を目の当たりにすると、きっと最後まで理想の絵描きになりたくてもがき続けたんだろうな……と感じるし、巨匠的な北斎のイメージが覆されて身近な存在に思えてきます。
誰もが知っている「富獄三十六景」の「神奈川沖浪裏」ひとつとっても、大胆かつ豊かな発想、緻密な作業から生まれているのがわかるんですよ。
ここに来れば北斎の本当の姿をいつでも堪能できる。とても贅沢な美術館です。
2020.10.16(金)
Text=Soh Kuroda
Photographs=Takuya Nagamine
Cooperation=The Sumida Hokusai Museum