日常の小さな出来事も 書き留めたくなる

◆柚木沙弥郎シリーズ

 97歳を迎えてなお、精力的に活躍を続けている染色家、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)氏による描き下ろし。

 鮮やかな5色の組み合わせの「少年と犬」の手帳カバーは、竹ペンと水彩絵の具で描かれた原画の持つあたたかみを損なわないよう、微妙な濃淡や色の重なりまで、ていねいに表現されている。

 「日常の『なんでもないもの』に対していかに愛着を持ち、おもしろがれるかが大切」だと柚木氏は言う。

 「もし、ふと印象に残ったものがあったら、自分で想像しなおして、頭の引き出しに貯めておくといいと思います」。

 “日常の中であたりまえにあるもの、取るに足らない小さなこと”、そんなことに目を向けて、この手帳に書き留めてみては。

2020.09.03(木)
文=古澤朋美