#03 ヨ・ジング
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子役時代からキラリと光っていた! 若手目ヂカラNo.1のヨ・ジング
“元子役”から、今では主役級俳優へ、見事に飛躍した優等生俳優のヨ・ジング。
かつては、時代劇から現代ものまで売れっ子子役としてイ・ジュンギ、チャン・ヒョク、キム・スヒョンほか人気俳優の子供時代を演じてきた。長年、韓国エンタメに親しんできた方であれば、あどけない姿のヨ・ジングをご存じかもしれない。
ところで、一般的な“韓国時代劇あるある”をひとつ挙げるなら、初回放送は主人公の幼年期からスタートしがち、というのがある。
主演俳優は、2話目もしくはそれ以降に登場するのが定番で、1話目では子役が活躍するパート。そこで制作側は、実力派子役を起用し、健気な名演技で泣かせ、視聴者の心をガッチリと掴んでおいてから、主演俳優パートにバトンタッチ(?)、というのが韓国時代劇の王道セオリーだったりする。
ヨ・ジングは長い間、そんな子役界のトップランナーだった。
最初は親にせがみ、自ら子役の世界に入ったという熱意もそのまま、多感な思春期もなんのその、休まず俳優として走り続け、今年で15年目。
真夏に誕生日を迎えたばかりの今年23歳。落ち着いた大人の男の雰囲気に、鍛え上げられたボティ、そして個性的な大きく力強い一重まぶたからのぞく心を射貫くような眼差し、まさに“目ヂカラ”からはベテラン俳優らしいカリスマ性を漂わせる。
実力は言うまでもなく、キャリア、パーソナリティどれをとっても非の打ちどころがなさそうなイケメン俳優ヨ・ジングだが、プライベートを聞かれれば、“交際経験ゼロ”との公言も。素顔はとても真面目なキャラクターとしても知られているし、大人っぽいルックスとのギャップも魅力のひとつだろう。
ヨ・ジング
Instagram @yeojin9oo
1997年生まれ。映画「Sad Movie<サッド・ムービー>」(2005年)でデビュー。子役ながら涙の演技でメインキャストのひとりとして脚光を浴び、その後も多くの映画やドラマに出演。昨年から「王になった男」、「絶対彼氏。」、「ホテル・デルーナ」まで三期連続ドラマ主演が話題のホットな存在。インスタグラムでは、子役時代の写真や、韓国の旅リアリティ番組でのオフショットが満載。次回の主演ドラマ「怪物(原題)」('21年予定)の情報が公式発表されたばかり。
【出演ドラマ】
狂気も純粋も演じ分け! ヨ・ジングを2倍堪能「王になった男」
朝鮮王朝中期。道化師と王という全く正反対の立場にいながら、同時代を生きる、瓜二つの青年たちの数奇な運命を描く時代劇。
全国を旅する道化師ハソン(ヨ・ジング)は、妹想いで純粋な青年。
才能溢れるハソンはある日、巷で耳にした噂から思いつき、王宮を揶揄した芸を披露し、喝采を浴びる。
一方、王位を取り巻く権力争いから、陰謀や罠、裏切りが絶えない宮廷内で、心が歪んでいく王イ・ホン(ヨ・ジング・二役)。
悪化の一途をたどる王宮腐敗のさなか、王命の伝達や王への報告を担当する側近イ・ギュ(キム・サンギョン)は、精神を蝕まれ始めた王と国のため、影武者を立てることを思いつく。
同じ顔をしたふたりの青年の運命が複雑に絡んでいくのだった。
イ・ギュの発案で宮廷へ連れてこられた道化ハソン。
王を前に、言葉遣いや思想を叩き込まれながら、見事に影武者の役目を果たすように。
王イ・ホンのよどんだ目つき、いつ暗殺されるかと怯え、人を人とも思わぬまでにすさみ切ってしまう人間を演じる姿はヨ・ジングドラマ史上、類を見ないほどの衝撃的。
ファンでなくても、ドキッとするほど鋭い眼差しで、まさにダークサイドのイ・ホン役は、ヨ・ジングの新境地だ。
地位も性格も対極にある、同じ顔の青年ハソンのキャラクターとのギャップにはぜひ注目を。
道化らしく軽妙なしぐさや、くるくる変わる愛らしい表情、微笑んだら大きな口からこぼれる眩しい白い歯。
ハソン役はこれまでのヨ・ジングの役柄イメージを代表したような、人間味がありどことなくキュートな存在。
今、出ているのは王なのか? 影武者なのか? 観る側を混乱させることなく、二役を自在に演じ分けるその表現力の引き出しの多さには感心するばかりである。
こうして、次第に暴君と化していく王イ・ホンと、影武者を続けるハソン。以前から、王妃ソウン(イ・セヨン)は、頑なに突き放すようでいで、王の行く末を心配する数少ない隠れた味方だった。
ガラッと人柄が変わって優しいイ・ホンに、疑いもなくソウンの心はほぐれていく。シリアスタッチの物語の中で、こうした二人が心通わせる甘いシーンだけは、ラブロマンス仕様の展開へ。そこではお決まりの名曲、シューベルト作「セレナーデ」のメロディが流れ、ドラマの清涼剤の役割のように。
そんな王妃ソウンも、手のつけられないほど荒んだイ・ホン本人と、影武者ハソンが時折知らずに入れ替わることで、混乱しだす。
イ・ホンは、正気を失いながらも、段々大きくなる影武者の存在に危機感を覚えていた。一方、ハソンは宮廷の内情を深く知るにつれ、単なる影武者だけではいられなくなり、まさに王として覚醒しだすのだった。そんなハソンの変貌ぶりに観ている側も気分が高揚していくはず。緻密に計算されたストーリー展開で、最後まで飽きさせない見事な作品だ。
このドラマは、人気俳優イ・ビョンホン主演でヒットした同名映画のリメイクである。それにしても、20歳そこそこの年齢で、本格時代劇の主役とは稀なケースではないだろうか。主人公二役を立派にこなしたヨ・ジングという俳優の存在の確かさ、ポテンシャルの高さ。今、韓国ドラマ界がヨ・ジングに掛ける期待の大きさは計り知れない!
ちなみに、先述の“韓国時代劇あるある”の法則からは本作は少々外れてしまうけれど、本人が全話登場、しかも出番は、通常の2倍!? だからファンでなくても“目ヂカラ”の威力を確かめて欲しい。
「王になった男」(2019年・tvN)
価格 DVD-BOX1 各¥12,600(本体)+税
発売元 「王になった男」パートナーズ
販売元 ハピネット・メディアマーケティング
http://www.happinet-p.com/jp3/releases/hpbr-687
© STUDIO DRAGON CORPORATION
いつか観たい2作目
「ホテルデルーナ~月明かりの恋人~」 (2019年・tvN)
© STUDIO DRAGON CORPORATION
死者のためのホテルで総支配人として働くホテリエ、生身の人間チャンソン役。マッチョなスーツ姿が超イケメン!
※現在日本での放映予定なし。DVD発売未定
韓国ドラマが
好き過ぎる!
2020.08.28(金)
文=安部裕子(#01、#02 作品紹介)、金川やすみ
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