2冊目『歳月』(茨木のり子)

詩人・茨木のり子が亡くなった夫に宛てた39篇

花神社 品切れ。

 「『自分の感受性くらい』という作品で有名な詩人の茨木のり子さんが、亡くなった旦那さんに宛てて書かれた詩を、彼女の死後にまとめた詩集です。

 悲しいことや、辛いことがあったとき、明るい話題や幸せな物語が人を救うことももちろんありますが、それだけが救いになるのではないと私は思います。

 いつか終わりがくること、私もあなたもいなくなってしまうこと。そんな気配の詰まった言葉が、人の心に寄り添ったり、人の気持ちをほっとさせる力を持っていることに、私はなんだか嬉しくなりました。

 枕元に置いて、何度も読みました」

◆あらすじ

詩人・茨木のり子が「一種のラブレターのようなもので、ちょっと照れくさい」と生前公表をしなかった、49歳で亡くなった夫への想いを綴った詩集。夫婦のときに生々しく、艶めかしいやりとりを想起させる作品や、とりとめもない日常がいかに大切だったのか、圧倒的な喪失感の中で生み出された詩、もう会えない夫への溢れ出す恋慕を綴った一篇など、25年の時をともに過ごしてきたふたりの歳月に思いを馳せる、至高の愛の詩39篇を収録。

2020.06.03(水)
文=CREA編集部