(C) Wolfgang Tillmans. Courtesy Galerie Buchholz, Cologne/Berlin
ヴォルフガング・ティルマンスは現代アートの世界でも高い評価を得ているドイツの写真家だ。その彼の大規模な個展がストックホルムの近代美術館で開催されている。1968年生まれのティルマンスは90年代からクラブシーンなどのユースカルチャーを題材にした作品を発表。ドキュメンタリー的な手法から抽象的なイメージまで幅広いスタイルの作品を手掛けつつ、写真の持つ表現の可能性を拡張し続けている。
今回の展覧会に出品された写真は、初期の代表作からデジタルカメラで撮影された最新作まで200点を超える。若いモデルを起用したファッションフォト、飛行中のコンコルドを地上のさまざまな場所から撮った「コンコルド」の連作、友人たちのポートレイト、色彩とコンポジションが見事な静物、ランドスケープ、カメラを用いずに特殊な暗室作業で生み出されるアブストラクトな写真など、その表現スタイルは驚くほど多彩だ。
(C) Wolfgang Tillmans. Courtesy Galerie Buchholz, Cologne/Berlin
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2013.01.11(金)