10:30 ひっそりと森にたたずむ、日本一のパワースポット
島根県中部を流れる神戸川の支流、須佐川のほとりにたたずむ須佐神社。日本神話の英雄、素戔嗚尊(すさのおのみこと)ゆかりの神社は数あれど、ココこそが、御霊を祀る唯一の神社だ。
須佐之男命が全国を歩いた末、「この国は小さい国だがよい国だ。自分の名前は岩木ではなく土地につけよう」(『出雲国風土記』より)と、終焉の地として選んだという。
現在の建物は天文23年(1554)の修築したものに改修を幾度となく加えたもの。大社造りのご本殿は県指定文化財となっている。元応2年(1320)と伝える古図によると、往時は現在の4倍ほどの規模を誇る豪壮なものだったそうだ。境内には樹齢1300年とされる杉の大樹がそびえ、現在の宮司は78代目という、気が遠くなるほどの古社だ。
ご本殿から小川を挟んだ社には、素戔嗚尊がヤマタノオロチから救った妻の稲田比売命とその両親、そしてオロチ退治に活躍した4柱の神々も祀られている。素戔嗚尊が愛する家族や仲間と一緒にここにいると思うと、不思議と心安らかな気持ちに満たされる。
ちなみにスピリチュアリストの江原啓之さんも著書の中で、須佐神社を個人的に日本一のパワースポットとおすすめしているそう。ご利益は良縁、子孫繁栄、家内安全、諸障退散など。
須佐神社
所在地 島根県出雲市佐田町須佐730
電話番号 0853-84-0605
http://www.susa-jinja.jp/
11:20 滝の裏側に回って深呼吸、マイナスイオンたっぷり!
島根県南東部、雲南市。県道39号線の狭い駐車スペースから、山峡の小道を下ること約10分。
樹齢400年とされる大杉のトンネルを抜けた先にあるのが、落差40メートルの雄滝(おだき)。近くの雌滝(めだき)と合わせて、「日本の滝100選」にも選ばれている中国地方随一の名瀑、龍頭が滝(りゅうずがたき)だ。竜頭八重滝県立自然公園の一部でもある。
たっぷりの水量から飛び散る水しぶきがミストのようにあたりを潤し、滝のふもとには虹がかかっている。岩を覆うシダ類はしっとりと濡れ、鮮烈な緑。
見上げると、滝の上部だけ木々がなく、ぽっかりと開けた空から太陽の日差しが降り注ぐ。
雄滝は岩をよじのぼると、「裏見の滝」と呼ばれる、滝の裏側に回ることができる。流れ落ちる滝の轟音で満たされた裏側にはちょっとした岩窟があり、滝観音も祀られている。
水のカーテン越しに見る森は、先ほどまでいた森とは違う世界に見えるから不思議だ。
しばし喧噪を忘れて、滝を愛で、川遊びをし、緑に憩う。車でしか行けないため、ひとり占めにできるチャンスも大だ。
龍頭ヶ滝
所在地 島根県雲南市掛合町松笠
2020.04.07(火)
文=古関千恵子
撮影=石橋優太、古関千恵子