12:40 ぶどう畑を見渡す 丘の上の地産地消レストラン

 雲南市の山間部、うねるような緑の丘を一望にする高台のワイナリー「奥出雲葡萄園」でランチ。

 「symbiosis(共生)」をポリシーとするコチラのメニューは、地元で収穫されたたっぷりの野菜や肉を使用。

 たとえば、10種ほどの野菜が入った冷製ガスパッチョに、焼きナスのマリネ、島根豚のコンフィにバジルのリゾットが入ったアランチーノなど、彩りも美しい料理がワンプレートに。

 フルハイトの窓から望む眺望も、美味しさを増幅させるスパイスとなっている。

 ワイナリーとしての歴史は20年あまり。和食と合うワインをと、シャルドネを中心に使用。年間5万本しか生産できず、引き合いは多くとも、なかなか入手困難のワインだ。

 なかでも超希少なのは、山ぶどう交配品種「小公子」で作るワイン。オンラインでの予約販売ながら、激戦だ。

奥出雲葡萄園

所在地 島根県雲南市木次町寺領2273-1
電話番号 0854-42-3480、レストラン予約は0854-42-2911
営業時間 10:00〜17:00、ランチ11:30~14:00(L.O.)
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)
https://okuizumo.com/

14:00 奥出雲の気候が育てた 古式醸造の醤油づくりを見学

 創業180年、昔ながらの寒仕込みの古式醸造をかたくなに守る「紅梅しょうゆ」。

 寒い時期に冷たい塩水で麹を仕込み、四季で移ろう温度変化をたよりに約1年間、醸造する。もろみを蒸気など人為的に加熱することなく、奥出雲の自然が育てた“きあげ醤油”だ。

 さらに年数を重ねて仕込む“再仕込み製法”は、色も旨みも濃厚だ。

 自社仕込みのもろみを使い、再仕込み製法で作られた醤油のラインアップのうち、おすすめは「ご縁醤(ごえんびしお)」。隠岐の海士町の塩と、島根県産の大豆を使い、木桶仕込みの深い味わいと、芳醇な香りが特徴だ。

 また、紅梅しょうゆでは、醤油作りの見学もOK。大きな木桶が並ぶ蔵で、長い櫂棒を操ってもろみをかき混ぜる体験はユニーク。

 記念品として贈呈される、自重だけで搾り、フィルターを通さずに生きた麹の入った、いわゆる“ヴィンテージ”な「三年寝たで」も貴重だ(所要時間1時間30分、1000円)。

紅梅しょうゆ

所在地 島根県雲南市三刀屋町三刀屋1051-1
電話番号 0854-45-2507、0120-002363
営業時間 8:30~17:30
http://kobai-shoyu.shop-pro.jp/

2020.04.07(火)
文=古関千恵子
撮影=石橋優太、古関千恵子