イベント屋台を7年程続けて
店主は、仲谷佳子さん。大阪生まれで、25歳から大阪ミナミの難波元町で、約10年、気軽で元気いっぱいの居酒屋を営んでいたのだそう。
「子供が生まれ、田舎で子育てをしたいとあちこち探して、丹波篠山市の端っこに来たんです」 と仲谷さんはにっこり。
子育てをしながら、エスニック料理の屋台「旅のごはんや」を始め、「ササヤマルシェ」など周辺のイベントや「アースデイ神戸」「いのちのまつり」にも出店。人気を集めたそうです。
イベント屋台を7年程続けるうち、「地元で採れる上質なものを使いたい」と考え、黒豆と餅米でできる粽に絞ります。食いしん坊から「台南の粽が美味しい」と聞き、何度も台南に出かけては作り方を探り、試作を重ねたと言います。
「タイ料理やインド料理も、現地へ行って本場どおりに作ることにこだわってきました。粽も、生の餅米を水に浸して肉やシイタケなどの具と一緒に竹の皮で包んで鍋で煮る、台湾の南部粽の作り方です」と仲谷さん。
「おくも 丹波黒豆肉粽」があるのは、丹波篠山市の東部で、京都府に近いエリア。古い民家を改装した店は、白い暖簾と中華風の赤い提灯が目印です。
「黒豆肉粽を丹波篠山の新しい特産品にしたい。地元の方が手土産にして、各地で喜ばれると嬉しいですね。地方発送もしています」
レトルトパック加工ができるようになったので、いつかは宇宙食にと、仲谷さんの夢は大きく広がります。
わざわざ買いに行く価値のある、ここだけの「黒豆肉粽」。一度食べただけで、他にない味わいに魅せられ、すっかりファンになってしまいました。
『おくも 丹波黒豆肉粽』
所在地 兵庫県丹波篠山市福井26
電話番号 079-506-1971
http://okumo-chimaki.com/
https://www.facebook.com/okumochimaki/
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2020.02.23(日)
文・写真=そおだよおこ