いよいよ東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020年。
ご存じの通り、数年前から外国人観光客は増え続け、ファッション関係者の間では一時期、「最近、TOKYOへ行った?」というフレーズがキャッチーな合言葉のように繰り返されていました。
“ホットスポット東京”であることは間違いないけれど、外国から訪れる観光客に見えて、私たちニッポン人に見えていないこととは?
改めて東京がフィーチャーされる今、この街を創造する都知事の小池百合子氏に直撃!
プライベートで通うお店から、期待される東京オリンピック・パラリンピックのこと、そして東京の未来についてうかがいました。
「行きつけは銀座の焼き鳥屋さん!
もう、なんでも美味しいんです」
前回に引き続き、東京の魅力について熱く語る小池都知事。
「食の魅力も大いにある」と切り出し、さまざまなジャンルのレストランが揃う東京ならではの美食を分析します。
「ミシュランの星付きレストランが、本家のパリよりも多いのはすごいこと。レストランのジャンルも豊富ですし、東京の食に魅力を感じて、それを目的に来日される海外の方も多いと思いますよ。
今はみなさん、ガイドブックやインターネットでほんとうによく調べていらっしゃいますよね。手頃なフードだとラーメン屋さんがとても人気で、国籍問わずたくさんの方が行列を作っています。よく見かけませんか?」
小池氏が通う、お気に入りのお店はあるのでしょうか。
「ありますよ! 銀座の焼き鳥屋さん『武ちゃん』。美味しくて、もう20年以上通っていますね」
都知事が通い続ける『武ちゃん』が気になりすぎた筆者は、都知事を取材した翌日にさっそく訪ねてみました。調べたところ大変な人気店のようで、しかも予約不可。当日は雨の中、17時の開店前から並ぶと一番乗りですんなりと入れましたが、すぐ満席に……。
さぞ高級な焼き鳥店かと想像していましたが、カウンターの向こうでキリリと手際よく焼く料理人の姿が見え、女将さんも気さくに話しかけてくれるなど、非常に庶民的。注文した「八本コース」はサラダ、大根おろし、スープがついて3200円。銀座とは思えない良心的な価格!
カリッと焼かれた手羽先や、やわらかなレバーなど、どれも焼き加減が絶妙で、女将さんによると、小池氏は「しっとりとしたささみと鶏スープが特にお気に入り」とのこと。鶏の旨みが凝縮したスープは、お代わりしたくなるほど美味――。
都知事はよく海外からのお客さんも連れて来られるそうで、この日も店員が外国人観光客にスムーズに対応していたのが印象的でした。
2020.01.06(月)
文=梅津有希子
撮影=佐藤 亘、文藝春秋