古くて新しい東京土産
江戸の工芸品にけん玉、Tシャツまで!
また東京オリンピック・パラリンピックを通じて、東京の匠の技も広く伝えていきたいと語ります。
「東京オリンピック・パラリンピック公式の市松模様のスカーフは、素材の絹が八王子産で、神田川のほとりで染めています。100%東京MADE。こういったグッズを通じて、江戸の粋と産業を守りたい。江戸切子も組紐も、職人を人間国宝にすればそれでいいわけではなく、売れないと続けていけないじゃないですか。
東京に行ったら伝統工芸品を買わなくちゃ! といった流れをぜひ作りたいので、『Tokyo Tokyo Old meets New』プロジェクトでもサポートしています」
同プロジェクトでは、東京都と民間企業が共同で、伝統工芸品や文具、食料品などさまざまな”東京みやげ”を開発しています。東京の青空をイメージしたスカイブルーとホワイトの爽やかなカラーリングを中心に、気軽に購入できる価格帯のアイテムが豊富。
「ニューヨークに行ったら道端でNYPD(ニューヨーク市警察)のTシャツとか売っていますし、ホワイトハウスの前でも大統領選で使うようなキャップやタオルが売っていますよね。同じスタイルで東京のギフトを作っておくのもいいかなと思って。特に人気なのが、手のひらサイズのだるまです。海外から来た友人には、けん玉も好評でした」
前回の記事で語った電車やエレベーターの話のように、「江戸文化もきめ細かい」と感じているそう。
「江戸の文化もすみずみまで考えられているじゃないですか。町人文化で外側は地味でも中は鮮やかだったり、たとえば着物の裏地に凝ってみたりときめ細かい。そういった文化や、現在のエレベーターの行列や時間を守る点など、良かれ悪しかれ日本人は几帳面ですよね」
最後に、都知事より「ぜひ立ち寄って欲しい」と言われた場所がありました。それが、都庁展望室。小池氏のお気に入りスポットのひとつで、地上202メートルから無料で街を一望できる場所。
都知事の話から、多くの人に支えられ、技術も交通も行き届いている東京は、まだまだ強い都市なのだと実感。不景気と言われて久しく、人々は目標や自信を失いがちだけれど、小池都知事のような強くしなやかで、細やかな配慮が行き届くリーダーがいると、未来は明るいのではないだろうかーー。
2020年に向けてますます海外からの訪問者が増える東京。
これからも、便利ですみずみまで気遣いの行き届いた、魅力あふれる街にきっと進化し続けます。
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2020.01.06(月)
文=梅津有希子
撮影=佐藤 亘、文藝春秋