いよいよ東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020年。

 ご存じの通り、数年前から外国人観光客は増え続け、ファッション関係者の間では一時期、「最近、TOKYOへ行った?」というフレーズがキャッチーな合言葉のように繰り返されていました。

 “ホットスポット東京”であることは間違いないけれど、外国から訪れた観光客に見えて、私たちニッポン人に見えていないこととは?

 改めて東京がフィーチャーされる今、この街を創造する都知事の小池百合子氏に直撃! その魅力と未来についてうかがいました。


上京した時から賑やかな東京
「新宿でよく遊んでいました」

 銀座、浅草、渋谷、新宿……毎日、多くの外国人観光客で賑わう東京。

 多彩な魅力がある一方で、在住者にとっては“東京らしさ”といった特徴に気づきにくいかもしれません。小池百合子氏が都知事として感じている東京の魅力とは、どのようなところなのか。そう尋ねると、即時、具体的な答えが返ってきました。

「まず、緑豊かな皇居があって、古い江戸時代の香りと、この新宿や渋谷などに代表される高層ビルが立ち並ぶ。ひとことでいうと“伝統と革新”“ Old meets New”。この両方が揃っていることではないでしょうか。一見、相反するようにみえるものが、ごく自然に共存している。これが東京の一番の魅力だと思います。

 著名な漫画家たちが集ったトキワ荘(復元中、2020年3月完成予定)や、映画『君の名は。』(新海 誠監督)に出てきた四谷三丁目付近の須賀神社の階段など、海外のアニメファンを魅了するスポットがたくさんあるのも、東京の魅力に特別な価値を加えていると思います」

 世界中で高く評価されている日本のアニメだけに、登場スポットを巡る、いわゆる“聖地巡礼”に訪れる観光客も多数。アニメや漫画など“オタク文化”の中心地として、秋葉原にも近年、海外から熱い注目が。東京は、世界でも最先端のポップカルチャーを生み出しています。

 小池氏自身が上京したのは25歳くらいの頃。海外留学を経て、地元の兵庫県芦屋市から新宿に移り住んだといいます。

「芦屋は高い建物はほぼゼロ。当時から東京には高層ビルがたくさんあって、便利で賑やかでしたね。キャスター時代は新宿二丁目(!)に住んでいて、目の前が新宿御苑。マイ・セントラルパークでした(笑)。遊んでいたのも新宿区内が多かったです」

 続けて、東京でお気に入りの場所として「明治神宫」と「日枝神社」をリストアップ。

「神社や鳥居のある風景が好きですね。明治神宫は緑も多くて本当に気持ちがいい。日枝神社は、歴代の都知事が氏子崇敬会の会長を務めているんです」

2020.01.05(日)
文=梅津有希子
撮影=佐藤 亘、文藝春秋