美しい景色の中でジョギングやウォーキングを楽しむ

 カウアイ島の東から北に向かうコーストラインに沿って、多目的に使えるバイクパスがオープンした。日本でもエコで健康によいアクティビティーが人気だが、カウアイの自然を楽しみながら、ジョギングやウォーキングをするならこの「カパア・バイクパス」がお勧めだ。

海を見下ろすようにバイクパスが走っている。この先にどんな景色が待っているのか、そんな興味に誘われて足が進む

 幅3メートルの美しく舗装されたバイクパスはカパアの町から北に向かってアヒヒ・ポイントまで、ハイウエイ56号線に平行した海岸線を走っている。全コースは片道4マイル(6.4キロ)往復8マイルで、歩くと約2時間はかかるコースだ。カパアの町からスタートすると、右手は穏やかな海の眺めから、しだいに黒い岩場の広がる海辺を見下ろすようになってゆく。もしラッキーなら、このあたりではハワイでも近年その数が減り、絶滅が危惧されるハワイアン・モンクシール(アザラシ)が体を休める姿を見ることができ、12月から5月の間なら、沖に鯨が潮を吹いたりジャンプする勇壮な姿も見られる。

大きな湾に沿ってバイクパスが走っている。地元のサーファーに人気のスポットだ

 カパア・ストリームにかかる橋を渡るころ、視界の先にはケアリア・ビーチの美しい海岸線が開ける。金色の砂浜と深いブルーの海のコントラストに目を奪われる美しい景色だ。このビーチは地元のサーファーたちに人気のスポット。ラフな波をサーファーたちが実に巧みに走り抜ける姿は壮観そのものだ。

 ケアリア・ビーチを通り過ぎると、道は海岸線を再び見下ろすように、しかもより海に近く迫るように伸び、左側は小高い傾斜となってゆく。打ち寄せる波も迫力を増し、岩に砕ける。振り返るとカパアの町が見える。海側からカパアの町を眺められる場所はここしかないだろう。ワイアレアレ山を背負うように町が広がって見える。

朝日のなかでウォーキングを楽しむ人々。海からの風も心地よい

 そして、その先に再び穏やかな美しい海岸が開ける。ドンキー・ビーチと呼ばれるこの海岸は、ケアリア・ビーチとはまた違った趣。コースからそれて、ちょっと散策したくなるような海岸だ。そこから約2キロほど行くとアヒヒ・ポイントだ。左手にアナホラのカラレアと呼ばれる奇岩の山。まるでキングコングの横顔のように見える。この場所がバイクパスの終点となる。

 変化に富んだ海岸線の風景と山側のトロピカルな植物――「次に何が見えるんだろう」そんな好奇心に誘われて足が自然に先へ先へと進んでしまう。カパアの町には自転車のレンタル・ショップもあるから、サイクリングもきっと楽しいに違いない。カウアイ島がこんなに美しい海岸線で囲まれていることに改めて気づかされた。

「コースタル・トレイル」のマスタープランによると、現在完成している箇所は、フェイズ1とフェイズ2だそうだ。将来はリフエ空港のあるナウィリウィリ湾からアナホラまでをつなげるという。

Kapaa Bike Path (カパア・バイクパス)
行き方 リフエ空港からクヒオ・ハイウエイ(56号線)を13キロほど北へ向かう。カパアの町に入ったら、右手のカパア・ビーチ・パークの駐車場、またはさらに北に1キロほど行ったケアリア・ビーチの駐車場を使用。

<次のページ> 映画『ジュラシック・パーク』が撮影された熱帯植物園

2012.11.16(金)