瀟洒な一軒家のフレンチと
ガーデンカフェ

 2日目は、前夜にたらふく夕食をいただいたので、早朝に温泉大浴場で代謝を促してから朝食をいただいた。

 ところが、朝食が美味しすぎて、またもお腹がいっぱいに(笑)。ということで、まずは近隣の散策へ。

 「富士屋旅館」から山側へ15分ほど歩くと、右手に看板が見えた。そこには、「不動滝 入口 徒歩1分」と書かれていた。階段を上ると、足湯と赤い日除けのあるイスとテーブルがあった。その先に美しい滝が見える。

 手前の建物は「不動滝茶屋」だ。4代目という店主の高木さんは、竹の筒にドリルで穴を開け続けていた。お土産物として売ったり、「不動滝茶屋竹あかり」というイベントで使ったりするランプシェードなのだという。

 滝を眺めながらお茶をしたかったけれど、次の予定があったので我慢。マイナスイオンをたっぷりと浴びてから滝を後にした。

不動滝茶屋

所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上750
電話番号 0465-63-4880

 実は、朝食後に歩いたのは、美味しいランチをいただくため。

 予約してあったのは「エルルカン ビス」。竹林に囲まれた一軒家のフレンチレストランだ。

 オーナーシェフの伊東さんは、フランス、ベルギー、イタリアの星付きレストランなどで腕を磨き、97年に恵比寿に「エルルカン」をオープン。

 都会育ちのため自然の近くに憧れ、06年には湯河原に支店をつくった。その後、湯河原がすっかり気に入って、恵比寿の本店を閉めてしまったのだという。

 暖簾をくぐって入口から中に入るとメインダイニングの手前には天然石のたたきがある。テラス越しに竹林の淡い緑が揺れている。なんてステキな雰囲気!

 メニューは、魚料理か肉料理を選ぶことができる「木漏れ日のランチ」と、メインの魚料理と肉料理を両方いただくフルコース「陽差しの中で宵の趣を」の2種類。今回は朝食をたっぷり食べたこともあり、前者を選んだ。

 アミューズはゆず風味のチーズシュー。続く前菜の魚介類のレアーグリルは火入れ具合が絶妙!

 秀麗豚肩ロースのコールドポーク カボチャのグリル添え、自家農園のキャベツのスープ、本日の鮮魚、イチゴのデザートまで、感動が続いた。

 そして、最後のハーブティーとともにいただいたのは、ブラジルのおやつのレシピにヒントを得て作ったというブラジルプリン。濃厚なのにしつこくないやさしい味で、恵比寿時代からのスペシャリテ。これを目当てで訪れるゲストも多いという。

 「富士屋旅館」の和朝食の後のランチを「エルルカン ビス」にしたのは大正解だった。

エルルカン ビス

所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上744-49
電話番号 0465-62-3633
http://herlequin.com/

 ランチの後は「町立湯河原美術館」へ。目指すは美術鑑賞ではなく館内のミュージアムカフェ「and garden」。

 美術館の庭園側にテラスもあって雰囲気がいい。ここは、入館料を支払わずにカフェだけ利用することができる。

 プロデュースしているのは地元で人気の豆腐店「十二庵」。濃厚な豆乳を使ったメニューが人気のカフェなのだ。しかも、テラスには足湯がある!

 ランチセットは、ラー油と花山椒の香りの豆乳スープにご飯や惣菜が付いていて美味しそう! でも、無念にもランチ後だったので、ミニサイズの豆乳トマトスープと秘伝豆の濃厚ソイラテにした。

 豆乳なので、どちらもさっぱりしていてすいすいと胃袋に収まった。ちなみに、ランチのスープは食べている間に豆腐のように固まっていくというお楽しみがあるという。

and garden

所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上623-1 町立湯河原美術館内
電話番号 0465-63-8686
https://www.facebook.com/andgardenyugawara/

 駅へと向かう途中、「十二庵」に立ち寄り、先ほどいただいた秘伝豆の豆乳や、豆腐、湯葉、お総菜などを大人買い。充実した一日となったのだった。

十二庵

所在地 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上170-1
電話番号 0465-43-7750
http://www.12an.jp/

【取材協力】
際コーポレーション

https://kiwa-group.co.jp/

湯河原温泉観光協会

http://www.yugawara.or.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)

トラベル&スパジャーナリスト。渡航約150回・70カ国、海外スパ取材約250軒超、ダイビング歴約800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は台湾と中国で翻訳出版、第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』(PHP研究所)も中国で出版された。新刊『ファーストクラスで世界一周』(ブックマン社)は発売即3刷!
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2019.05.21(火)
文・撮影=たかせ藍沙