160年目の老舗専門店で
スペイン扇子鑑賞
次に行ったのは「アバニコ」専門店。「アバニコ」とは扇のこと。いわゆるスペイン扇子だ。
扇子のルーツは平安時代と言われている。文字を書くための檜の板(当時、紙は貴重品だった)を重ねて作った檜扇と呼ばれるものだ。
その後、5~6本の細い骨に紙を貼った扇が作られるなど、変化していった。ヨーロッパに伝わったのは、16世紀の日本とポルトガルの交易が始まった頃。そこからスペインへと伝わりフラメンコを踊るときに使われるようになったのだという。
扇子の専門店「カサ・デ・ディエゴ」は1800年創業の老舗。1858年にソル広場に面した現在の場所にオープンした。
今でもひとつひとつ職人さん達が手作りで製作する扇子は、まるで芸術作品のよう。とくにショーウインドウに飾られたアンティークの扇子は、扇子として使うのではなく、飾っておきたい美しさだ。
店内には、扇子のほかにも、雨傘、日傘、ステッキ、ショール、カスタネットなども並んでいる。ステッキの持ち手の装飾は、職人技が存分に生かされていて素晴らしい。
1939年オープンしたメソネロ・ロマノス通りの2店舗目は、傘とステッキの工房を併設している。店内にはたくさんの傘やステッキが、木製の棚に並んでいた。こんな傘を持っていたら雨の日が待ち遠しくなりそうだ。
Casa de Diego ソル広場店
(カサ・デ・ディエゴ)
所在地 Puerta Del Sol, 12 - 28013 Madrid
Casa de Diego メソネロ・ロマノス通り店
(カサ・デ・ディエゴ)
所在地 Mesoneros Romanos, 4 - 28013 Madrid
2018.12.13(木)
文・撮影=たかせ藍沙