ホリデーシーズンを彩る新しいワインとカクテル

アジア初のカンパリカクテルコンペ！混戦を制したのは「大切な想い出」

田中稲

GOURMET

2018.11.28

フローズンカクテルに込めた
「大切な人との時間」

優勝した小川尚人さん。その胸には、師匠のお姉さんに作っていただいたという赤い月のブローチがちょこん。小川さんを見守っているよう。

　混戦を制し、ミラノで開かれる世界大会出場の切符を勝ち取ったのは、「Luna Rossa」を作った小川尚人さん！

　私と編集Sは「うおお！」と目を合わせました。この結果に驚いたのは、このコンペでたった一つのフローズンカクテルだったから。目立ちはするけど、リスキーでもあったはず。それは小川さんも覚悟されていたのだとか。

「大きな挑戦でした。パフォーマンスとして大きな見せ所となる『シェイカーを振る』を捨てる選択をしなければならなかったので……」

　確かにひたすらブレンダーで作っておられましたね！

「Luna Rossa」。カンパリの苦味にグレープフルーツリキュールの酸味、そしてベルガモットリキュール・エルダーフラワーシロップによる花の香りがふわっふわになって口の中に広がる。

　それでも、彼のカクテルが審査員の心を動かした理由は、その優しい味と、そこに秘められた想い。カンパリのおいしさを広く伝えたい、ということで、できるだけ手近な材料と作り方にこだわったそう。

「亡くなった祖母がよく話してくれた『赤い月』の話をヒントにして『Luna Rossa(赤い月)』と名付けました。もっとあなたと、時間をともに過ごしたかった、という意味を込めたんです」

　照れて伏し目がちだった小川さんの目がきらりと輝きます。

パーティーのラストは、ファイナリスト全員で記念写真。ご覧ください、清々しい笑顔。そして誰一人かぶることない7人7様の個性！

　大切な人との素晴らしいひとときもフローズンのように、もっとゆっくり溶ければいいのに。そんな気持ちもあったのだなあ……。

「それにカンパリのフローズンカクテルは溶けてもおいしいんです。それを味わってもらいたくて」

　薄いバラ色のカクテルには、小川さんのカンパリ普及への真摯な姿勢と、大切な想い出がしっかりと凝縮されていました。

「未知の世界ですが、ミラノで頑張ってきます」

　小川さん、その誠実なお人柄でカンパリ愛を炸裂させてくださいね！

ビターだけど親しみやすい
カンパリの柔軟性

東京の夜景をバックに輝くカンパリ。ラベルを彩る「カンパリ＝アート」にも注目。カンパリ 1,000ml 1,960円、750ml 1,550円、375ml 870円(すべて税別)。

　カンパリをいかにおいしく皆様のお手元に届けるか。それを追求する彼らの誠実さは、ヒルズから見る夜景よりも美しく。

　イタリアを代表するハーブリキュールのカンパリ。そのハーブと柑橘系が絡み合ったビタースウィートな味わいは、150年の歴史を持ち、世界190カ国で愛されています。

　ファイナリスト7名の笑顔とサプライズを込めたレシピを体験し、これから幸せな気分の時、大切な人を思い出したくなった時、カンパリを飲もう。そう思えた、とても優しく心が震えたカンパリ・ナイトでした。

田中稲(たなかいね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

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