昼間の仕事を続けながら
音楽活動に励んでいた(横山)

光石 90年代に入ると僕、だんだん食えなくなってきましてね。結婚もしたし、呑気にレコードを買い漁っている場合じゃないなって。だから、ちょっと真面目に仕事しなきゃなと思って、ようやく俳優業のほうに目を向けるようになりまして。しばらくして、再び音楽を聴く楽しさや興奮が自分のなかで甦ってきたのがCKBだったんですよ。

横山 ああ。そうだったんですね。

光石 女房が横浜出身なので、「横浜のワードがちりばめられているCKBなら聴いてもいいかな」みたいな(笑)。女房も「お金はちゃんと家に入れてね」と言いながら、「CKBは買っていいよ」って(笑)。

横山 奥さまの理解を得られてよかったです。僕は、ダックテイルズの後は運送屋で運転手をしながら、MOON DOGSや神崎まきさんに曲を提供していたし、CKBを結成してからもしばらくは昼間の仕事を続けながら音楽活動をしてました。

光石 その間も作曲はずっと続けてらしたんですか。

横山 ええ。元々、自分が表に出るより筒美京平さんのような職業作曲家になりたかったというのがあったんで。それが運命のいたずらでクールスに入ってしまったものですから、それはそれで楽しくなっちゃったんですけどね。

光石 僕もスカウトがきっかけで俳優になったんです。90年代半ばくらいから青山真治さんなど同世代の監督が出て来て、そういう映画に出演するようになって仕事の流れが少しずつ変わってきた感じでしたね。仕事がだんだん楽しくなってきたのは90年代後半くらいからです。

横山 CKBが今年デビュー20周年ですから、浮上するタイミングが一緒!

光石 ホントですね。

2018.09.18(火)
構成=佐野郷子
撮影=鈴木七絵
スタイリング=下山さつき
ヘアメイク=山田久美子