クールスを入り口として
いろんな音楽を吸収した(光石)
光石 当時、イラストレーターの湯村輝彦さんがソウル&ドゥーワップのファンジン「トレジャー・チェスト」でスウィート・ソウルを紹介されていたのにすごく影響を受けまして。あれに載っているレコードをとりあえず買い集めようと。
横山 湯村さん! テリーマン! 甘茶ソウル!
光石 そうしたら、クールスR.C.も、さっき話に出た『OLDIES SPECIAL』という全曲カヴァー・アルバムでソウル・ナンバーも歌っているじゃないですか。あれは嬉しかった。
横山 ありがとうございます。
光石 湯村さんもどこかで絶賛してましたよね?
横山 雑誌「宝島」の「ALL ABOUT R&B」というコラムで、デルフォニックス「ララ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」のカヴァーを褒めていただきました。
光石 それでライブを観に行ったら、ザ・モーメンツのカヴァーも歌っていて、もう痺れちゃって。
横山 あの頃は裏声が出たんですよ。クールスはわりと裏声を許容するバンドだったんで。
光石 あれはジェームス藤木さんの趣味だったんですか?
横山 はい。ジェームスさんが、ファルセット好きだったんです。
光石 「ミスター・ハーレー・ダビッドソン」という曲を初めて聴いたのは、中学の時だったんですけど、あの曲で裏声ってかっこいいと目覚めて、喫茶店の有線でそればっかりリクエストしていました。音楽の入り口はクールスでした。ほんとに10代から20代前半はクールスから色々な音楽を吸収させてもらいましたね。
横山 CKBファンでもそこまでの人はなかなかいないですよ。どこかでおっしゃってましたけど、「季刊リメンバー」(邦楽廃盤レコードをテーマとしたマニアックな音楽雑誌)読んでいたなんて相当筋金入りですよ。
光石 いやいやいや。ただ単に好きなだけです。
横山 剣(よこやま けん)
1960年生まれ。横浜市出身。81年にクールスR.C.のヴォーカリストとしてデビュー。その後、ダックテイルズ、ZAZOUなど、さまざまなバンド遍歴を経て、97年にクレイジーケンバンドを発足させる。和田アキ子、TOKIO、グループ魂など、他のアーティストへの楽曲提供も多い。2018年、クレイジーケンバンドはデビュー20周年を迎え、8月には3年ぶりとなるオリジナルアルバム『GOING TO A GO-GO』(写真)をリリースした。9月24日(月・祝)には、横浜アリーナでデビュー20周年記念ライブが行われる。
●クレイジーケンバンド公式サイト http://www.crazykenband.com/
光石 研(みついし けん)
1961年生まれ。福岡県出身。高校在学中の78年に映画『博多っ子純情』の主役に抜擢を受け、俳優デビューを果たす。主な出演作に、映画『Helpless』『ヒミズ』『シン・ゴジラ』『アウトレイジ 最終章』『モリのいる場所』『羊と鋼の森』、ドラマ「バイプレイヤーズ」「未解決の女 警視庁文書捜査官」「ハゲタカ」「フェイクニュース」などがある。盟友・大杉漣が初のプロデュースを手がけ、主演も務めた映画『教誨師』(2018年10月6日公開)にも出演している。
●鈍牛倶楽部(所属事務所)公式サイト
http://dongyu.co.jp/
剣×研サイン入りチェキをプレゼント!
横山剣さんと光石研さん、おふたりのサインが入ったチェキを、計5名にプレゼントいたします。応募要項は、この連載の最終回に掲載しております。
<衣装>
[光石さん]ネイビーセットアップ/BLUE BLUE(03-3715-0281)、インナーのアロハシャツ/本人私物
CKBデビュー20周年記念対談
横山剣×光石研
2018.09.12(水)
構成=佐野郷子
撮影=鈴木七絵
スタイリング=下山さつき
ヘアメイク=山田久美子
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