スライスから始まるひとり鍋
「岩津屋」があるのは三宮センタープラザ西館というところ。食事と食事の合間に、ディープな食堂街を案内してくれるハイセンスすぎる知人に連れられて初日に散策。ディープな地下街で、カツ丼専門店とか焼きそば専門店とか個性的な店がずらりと並んでいる。怪しげな雰囲気も相まってどのお店もおいしそうに見えるのだが、知人曰くもちろん玉石混交なのだそう。
看板には「15分で食べられる」と書いてある。出てくるまでに15分はかからないし、15分で完食するのは微妙なのでなんだかよくわからないが、スピード感はある。で、何人もの人がカウンターに座ってしゃぶしゃぶをしていた。しかし、その時はもうお腹がいっぱいで入れない。すっごく後ろ髪を引かれていたところ、帰りの新幹線の直前に30分ほどの空き時間を発見! 「そうだ、15分で食べられるしゃぶしゃぶへ行こう!」と乗り込んだというわけ。
メニューはシンプルで、豚しゃぶ定食の豚が増えたり野菜が増えたりするだけ。手探りなので通常のサイズにしてみる。驚いたのは豚肉を注文ごとにスライスしていること。切りたての豚はしっとりとなめらかだ。うれしいことに「定食」だからごはんも同時にやってくる。しかもごはんおいしい! 私の場合は野菜を先にどっと入れちゃってクタクタにしつつ、豚とごはんの配分を慎重に計算しながら、しかも大好物の春雨が溶けないように様子を見つつ、しゃぶしゃぶする。多分同行者はビールベースなので違う配分だ。見てなかったけど。たれはふたりでポン酢とごまだれを頼みわければ共用も可能だが、ごまだれにした。
外食で、完全な自分ペースのしゃぶしゃぶができるなんて、やっぱりしゃぶしゃぶはひとりに限る。こんな暮らしをしているから一人暮らしが長引いているのかもしれないが、そんなふうに悦に入った神戸の夕方でした。新幹線は余裕で間に合いました。
岩津屋
住所 兵庫県神戸市中央区三宮町2-11 センタープラザ西館B1
電話番号 078-391-6170
Column
北條芽以のLOVEレストラン
美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!
2012.08.09(木)