チャラ男ならではの絶妙なエール

3rdアルバム『ROOT』。久々にCDラックから引っぱり出した。歌はもちろん、ギターがギュインギュインカッコ良すぎるぞ!

 私が思うSURFACEの歌の魅力は「アイツ、軽いように見えて、実は良いヤツだよね」感である。

 合コンでポツンとはみ出てしまった女子に対して、「ヘイヘーイ、そこの彼女、どうしたの?」とか言いながら隣に座り、当たり障りのない会話をしてゲラゲラ笑って最後に「ほらほら、笑った方がかわいいじゃーん」と背中をポンポン叩いてくれるあのタイプ!

 ご本人たちと面識がないので素の性格は知らないが、あくまで、私の想像する彼らの歌の主人公はそんな感じである。

 最高にイカシたリズムに乗る歌詞の「ゴーイングmy上へ」というオッサンも喜びそうなダジャレや、「ヌイテル?」と下ネタ臭を漂わせてからの、実は「肩の力抜いてる?」という意味でしたーというヒッカケ。いやもうダサいが親しみやすい兄(あん)ちゃんっぽくて、絶妙に「軽くて優しい」。

 個人的なスターダストメモリーで申し訳ないが、私はドン底期、彼らの「なにしてんの」がかかってきて思わず泣いたことがある。「乗り越えようなぁ、前に進もうなぁ! 今日は俺がそばにいてやっから!」とガンガン肩を叩いてくれているようで本当に沁みたっけ。

 嗚呼懐かしい。思い出してしまった。ちょっと涙を拭いてきます……。

2001年に発売されたベストアルバム『SURFACE』のインナースリーブより。しかし、時期によってずいぶんとルックスが変わるユニットである。

2018.03.29(木)
文=田中 稲
写真=文藝春秋