ため息が出るほど美しい壁紙

 最後にご紹介するのが、ため息が出るほど美しい壁紙のデザインと製造を手がけるイクセル(IKSEL)です。手描きの美しいパターンをデジタル化しているため、顧客のオーダーに応じて色を変えることも可能。

 また同じパターンのファブリック展開も行っています。イラク、イラン、トルコ、ハンガリー、フランスなどの背景を持つ、超インターナショナル・カップルが立ち上げたブランドだけに、デザインもオリエンタルなテイストのものから、ヨーロッパ大陸風の色合いのものまで多数。分厚いカタログは、コーヒーテーブルに置いていつまでも眺めていたくなるような美しさです。

左:壁紙のパターンを応用したイクセルのファブリック。
右:ショールームのカーテンにも壁紙と同じパターンのファブリックが使用されています。
天井にも壁紙が。訪れるインテリアデザイナーたちも新しい壁紙の使い方に、インスピレーションを得ていたもよう。

 ほかにも、注目したい業者がたくさんあります。

壁紙や壁のパネル、壁を覆うファブリックなどウォールカバーリングの専門業者、アルテのショールームには、ありとあらゆる種類のパターン見本や使用例が掲載されたカタログが。壁の持つポテンシャルを感じます。
ビスポーク家具やデコレーションを手がけるブラック&キーのショールーム。ガラス工芸作家アダム・アーロンソンや画家フィンタン・フェランのコミッション作品も展示されています。
ラグジュアリーなビスポークの作り付けキャビネットを専門とし、特にキッチンキャビネットで定評のあるクリストファー・ピーコックのショールーム。
ウェスト・ワン・バスルームズのショールームでは、傘下にあるタイル専門ブランド、アン・サックスのタイルもずらり。

 一休みしたり、昼食をとったりするのにも便利なカフェもあるので、まるまる一日、旬のインテリアを楽しむことができます。

 毎年3月に開催されるデザイン・ウィークでは、デザイナーのトークや職人によるデモンストレーションなど、多くのイベントも開催されるので、こちらも注目です。

Design Centre(デザインセンター)
Chelsea Harbour, Lots Road, London SW10 0XE
http://dcch.co.uk/

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com

2018.03.26(月)
文・撮影=安田和代(KRess Europe)