カイとの撮影エピソードや
共演者からの質問コーナーも
キャスト陣と監督からは、カイとのエピソードが次々に明かされた。
好きなシーンを問われた佐野は、(佐野演じる父親の秘密を知った)ジウォンと二人、男同士で酒を飲みかわすシーンを、「一番忘れられないかな」と挙げ、河合監督も「非常にいいシーンですので、ぜひ観てもらいたいと思います」とアピール。
一方、直子の母を演じた高畑は、撮影中のカイのエピソードを披露。「カイさんはいつも刺身を食べていた。隅田川の公園で(撮影をしていたときには)鉄棒があると、シュッ、シュッ、シュッと懸垂をしていた。とても明るくて、コロコロ笑っていた」とコミカルに説明すると、カイは「急いで身体を作らないといけなかったという事情がありましたので……」と神妙に告白。すかさず河合監督が「シャワーシーンがあったからね」と暴露すると、照れ笑いを浮かべた。
驚くことに、今回の作品で、カイはほぼすべてのシーンを日本語で演技している。韓国から来日して数年のフォトグラファーという設定のため、流暢な日本語が要求されるわけではないが、ダンスで培ったであろう「絶妙の間(ま)の良さ」で、観客の爆笑を誘うコメディ演技さえこなしている。
河合監督によれば、「当初はあまり長いセリフは覚えられないだろうという話だったので、韓国語によるモノローグを多く予定していたが、撮影を始めたらかなり話せたため、モノローグを全部やめようと。現場で急遽、セリフに変更することもあった」のだという。
続いて、共演者からカイへの質問コーナーへ。
倉科から「好きな日本語のセリフは?」と問われると、カイは「借金していました」と回答。会場から笑いが起ると、「自分自身に借金があるということが良かったんですよね(笑)」と話し、倉科から「そのシーンを一生懸命練習してるのは見てました(笑)」というエピソードも。一方、苦労したセリフは「(倉科の役名である)直子」と言い、韓国で名前を呼ぶときとイントネーションが違う上に、何度も出てくる言葉のため、大変だったと明かした。
佐野からの「日本の音楽で好きなものは?」という質問には、オフコースの名曲「言葉にできない」と回答。ライブ映像を観たときに涙が出るくらい感動したと話しつつ、「チェンベクシ(EXO-CBX)というユニットがあるんですけど(笑)」と、日本デビューしているEXOメンバーのユニットをPRするサービス精神も。
最後に、河合監督からの「撮影期間中にも、EXOとして海外公演を行ったりと多忙を極めていたが、どのように切り替えているのか」という質問には、周囲への感謝の気持ちを込めてこう答えた。
「自分はプロなので、そういうこともきちんとできないといけないと、思っているんですけど、今回の現場はここにいる監督や共演者の皆さんたちのおかげで、自然とジウォンになれたと思います。皆さんに助けられて乗り越えることができたと思います」
2018.01.13(土)
文=CREA編集部