Magnificent View #1363
モンサラーシュ(ポルトガル)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ポルトガルの中南部に広がるアレンテージョ地方。首都リスボンからテージョ川を挟み、スペインとの国境にいたるまでの一帯には、まるで時が止まってしまったかのような中世さながらの村々がある。

 丘の上にひっそりとあるモンサラーシュ村もそのひとつ。城壁に囲まれたなかに並ぶのは、赤褐色の屋根と真っ白な壁の家。軒先に咲くブーゲンビリアが、青空と白壁に映える。眼下に見えるのは、緑豊かな平原だ。

 村の面積は小さく、30分もあれば歩いて回ることができる。だが、そのなかに3軒の教会と小さな闘牛場があり、中世、ここに城が築かれ栄えていたことをしのばせている。

 これほどの絶景に恵まれていながら、リスボンからのアクセスが悪いためか、観光客の姿もまばら。そんなこの村の別名は「沈黙の音が聞こえる村」。静寂に包まれる時間こそ、ここを訪れる一番の楽しみかもしれない。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2018.01.21(日)
文=芹澤和美