●中華成喜(神奈川・川崎)

餃子 5個 378円。1個70円で追加可能、テイクアウトもOK。

知られざる「餃子の街」
川崎に息づく老舗の味

 「“川崎餃子”の底力を知ってほしい」と、藤崎さんがセレクトしたのがこちらのお店。都内だと蒲田、東京近郊だと宇都宮や浜松といった「餃子の街」と呼ばれるエリアがある。そんな、餃子を通して地域活性化を行う9都市のなかに川崎も含まれるのをご存じだろうか。2017年の秋には「全国餃子まつり」を川崎に誘致し、2日で10万人を動員した。その立役者が、「かわさき餃子舗の会」会長を務める「中華成喜」の店主、鬼塚保さん。

「“中華偏差値”の高い川崎で、餃子がおいしくないはずがない。政令指定都市でもある川崎市には大手中華チェーン店も軒を連ねる。そこで長年続いている=地元民に愛されている、というのがなによりの味の証明ですよね」と、藤崎さんもその実力をたたえる。

町の中華屋といった形容がしっくりくる、どこか懐かしさ漂う店内。藤崎さんがロケハンに訪れた際、すべての客が餃子を頼んでいたのが感慨深かったそう。

店主が紡ぐ
川崎餃子の現在と未来

 昔は日本料理店だったこちらの創業は、昭和12年。先代が渋谷の恋文横丁で食べた餃子に魅了されて、お店でも出すようになり大評判。昭和28年から餃子を作り続け、じわりじわりと人気に火がつき、中華料理店となったそう。

餡は、豚肉と、キャベツ、ねぎ、にら、しょうが。にんにくはアクセント程度に入れる。

 2007年に「かわさき餃子舗の会」を結成した後、同会のメンバーで川崎餃子らしさをどう打ち出すかを考えたという。そこで辿り着いたのが、タレで個性を出すこと。試行錯誤を重ね、2010年に「かわさき餃子みそ」が誕生した。

 軽やかな味噌だれは、各店の餃子の個性を活かし、さらなるおいしさを提案してくれる。「作ったからには定着してもらわないと。開発には苦労しましたが、今でも愛される、一過性ではないタレができあがりました」と語る鬼塚さんは、川崎餃子の未来を見据えている。

「餃子みそ」は、店内で販売している。餃子のタレ以外にも、炒め物やスープの隠し味として使うのもおすすめ。

▼聡子の「眼」

「味噌だれで食べる川崎餃子には
レモンサワーを合わせてすっきり軽やかに」

 ちょっぴり濃厚な味噌だれと、トレンドでもあるレモンサワーが好相性。ここの餃子のジューシーさは、野菜の旨みと甘みがベース。もたれない、飽きのこない味付けで、2人前はぺろりと食べられそうですね。もっちりした皮も◎。

店主の鬼塚さんが語る川崎餃子の歴史を、興味津々の様子で聞く藤崎さん。

中華成喜(ちゅうか なるき)
所在地 神奈川県川崎市川崎区小川町2-11
電話番号 044-244-4888
営業時間 11:00~21:30(L.O. 21:00)
定休日 無休

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2017.12.16(土)
文=吉村セイラ
撮影=平松市聖