イ・ビョンホンとの共演で学んだこと
――共演者のイ・ビョンホンさん、キム・ウビンさんとは現場ではどんな雰囲気だったのですか？
「現場はとても楽しい雰囲気でした。イ・ビョンホンさんとキム・ウビンさんはかなり年が離れているので、僕は主にウビンさんと一緒にいることが多かったですね。フィリピンロケでは1カ月ずっと一緒だったので、かなり仲良くなりました。撮影ではビョンホンさんたち先輩組と、僕ら若手組は出演するシーンも別になることが多かったですが、ときどき一緒に食事に行きましたよ」
――ビョンホンさんとの共演で学んだことは何ですか？
「イ・ビョンホン先輩は、集中力がすごいんです。これはとても勉強になりましたし、発声も素晴らしい。見習わないといけないと思いました。でも現場では気さくで、よく僕がツッコミを入れていました(笑)。韓国の俳優は、先輩と後輩の間にあまり壁がないんです。VIP試写会やその後のパーティなどで、普段からよく顔を合わせるし、お互い現場にも遊びに行ったりするんです。だから、お兄さん・お姉さん、という感じで仲良くなるんです。いい職場だと思いますね」
――何か現場で心がけていることはありますか？
「とにかく楽しむことですね。いつも冗談を言ってます。周りがリラックスしていると、僕もリラックスできますし」
――俳優デビューからもうすぐ15年経ちますが、演技者として心境の変化はありましたか？
「俳優という仕事は、時代の痛みや苦しみを代弁しつつ、人の気持ちを慰める仕事なのかな、と年々思うようになってきました。そのためには出来るだけ多くの人と出会い、交流し、他人の痛みを知らなくてはいけないし、人間というものに関心を持たなくてはと思います。そして常に社会的な問題や、世界的な問題、政治的な問題を学ばなくてはいけない。年々、そういう気持ちが強くなり、使命感を感じるようになってきました。自分のことを見つめるだけでは、共感は得られませんから。お笑いや音楽などすべての大衆芸術において、それは同じなのではないかな、と思います。中でも、俳優はより親しみと共に、観る方へ癒しを届けられたらいいと思います」
――では、ドンウォンさんにとっての癒しとは？
「自分なりにいろいろ楽しんだり、メンタルを整えたりしていますよ。僕、メンタルは強いので(笑)」
2017.12.02(土)
文＝石津文子
撮影＝五十嵐 瑛仁(TRON)
スタイリスト＝KIM HYUN KYOUNG
メイク＝AN SUNG HEE
ヘア＝LEE SEON YEONG
衣装＝SISE
