【WOMAN】
棋士の知られざる生態や
将棋界の現在もウォッチ
将棋の世界において、中学生でプロ棋士になったのはわずか5人。そのひとりが今年大ブレイクした藤井聡太四段であり、渡辺明二冠(竜王・棋王)だ。『将棋の渡辺くん』は、渡辺二冠の妻によるエッセイコミック。理論派棋士の知られざる素顔を、ノンフィクションで描き出す。
「旦那」は、ぬいぐるみラバー(多頭飼い)。ダイエットに励んでいるものの、失敗続き。家事全般が不得意。おしゃれに気を使うことは苦手。何かゲームをすれば小学生の息子に負ける。体力はおじいちゃん並み。……何故こんなにも不器用なのか?
「旦那の頭の中は将棋の知識だけでそれ以外は全く入ってない」。そんな配偶者との生活は驚かされることの連続で、だから楽しい。何より素敵なのは、勝負事の世界で生きているにもかかわらず、くよくよしないこと。負けたらどうする? 次勝てばいい! 仕事の不満を家に持ち込まない素敵な旦那さんなんです。
『将棋の渡辺くん』(既刊2巻) 伊奈めぐみ
名実共に「天才」、渡辺二冠の妻が「旦那」をウォッチしたエッセイコミック。将棋界にも部活動がある。棋士はあまり自動車の運転をせず、競馬好きが多い……。棋士の知られざる生態や2010年代の将棋界を綴るドキュメンタリー要素も魅力。『別冊少年マガジン』連載中。
講談社 800円
Column
男と女のマンガ道
男と女の間には、深くて暗い川のごとき断絶が横たわる。その距離を埋めるための最高のツールが、実はマンガ。話題のマンガを読んで、互いを理解しよう!
2017.11.06(月)
文=吉田大助