島根県の隠岐諸島は、島根半島の北約65キロの日本海に浮かぶ、約180の島々からなる諸島だ。そのうち、「島前」と呼ばれる3つの島(西ノ島、中ノ島、知夫里島)と、最大の面積を持ち空港も擁する「島後」に人が暮らしている。
2013年に隠岐世界ジオパークとして認定された隠岐諸島は、本土と接したり、離れたりを繰り返した結果、独自の生態系や暮らしぶりが育まれてきた。映画『もののけ姫』のような神秘の森や、竹灯篭に導かれる夜の隠岐神社への参拝など、まるで異世界に迷い込んだような体験も。
そんな不思議いっぱいの隠岐をめぐる、ゆるり旅はいかが?
vol.01 島後(どうご)
周囲約200キロ、隠岐の中で最大の面積を誇る、ほぼ真ん丸の島が、島後。火山活動によって生まれた島で、500メートル級の山がいくつも立ち上がった地形をしている。島後を主要エリアとする隠岐の島町には約1万5000人が暮らし、人口は隠岐の町村で最も多い。
ちなみに、町名は隠岐の島町だが、島名は島後。“隠岐の島”という島はない。
映画『もののけ姫』に出てきそうな深い森や、夕日が炎のようにみえるローソク島、本土の影響を受けて多彩な様式が取り入れられている神社、昔ながらの暮らしがうかがえる築180年以上の民家など、見どころが多い。
場所によっては携帯の電波が届かない、今や貴重な観光地のひとつかも。定期船のみならず、隠岐世界ジオパーク空港があるので、空路でのアプローチもできる。
2017.10.20(金)
文・撮影=古関千恵子