木々の間からウェイターがやってくる

扉を開くとチョコレートの芳醇な香りが鼻をくすぐる「ソー・チョコホリック」。

 年齢を問わず誰もが大喜びするのは、アイスクリームパーラーの「ソー・チルド」。タイハーブを使ったユニークなフレーバーを含め、常時60種のアイスクリームが食べ放題。隣接した「ソー・チョコホリック」にはアート作品のように美しいチョコレートがずらりと並んでいます。

木の幹を上下する名物の「ツリーポッド・ダイニング」。エコフレンドリーなリゾートゆえ、釘は一切使っていません。

 そして、ソネバキリのアイコンといえば、「ツリーポッド・ダイニング」。ラタンで編んだカゴに乗り込み、地上から高さ5メートルまで、大樹の幹を上下する1組のみのシートです。

羽を休めた鳥の目線で、海や緑を愛でつつディナーを。

 料理やドリンクを運ぶ専任ウェイターが、ターザンよろしく、ジップラインで木々の合間を縫ってやってきます。「木の上で食べる」、冒険小説に出てきそうなシーンも、ここならエレガントに叶えられそう(残念ながら、私が訪れた時は、点検中で体験できず……)。

大海原を一望にする、眺めが自慢の「ザ・ヴュー」。
ボートで川を渡って向かう、「ベンズ」。メニューはなく、その日の食材からインスパイアされたタイ料理がサーブされます。タイの台所にお邪魔する気分。

 クッド島を選んだ理由には、食材の調達が便利という点もあったと聞きます。新鮮な魚はローカルの漁師さんから仕入れ、本土に近いので肉類も入手しやすく、広大な敷地内の自家農園で野菜や南国のフルーツを育てることもできます。

 食体験に重きを置くソネバの魅力を、たっぷり発揮できる環境でもあるのです。

2017.08.12(土)
文=古関千恵子