フローフシの斬新すぎるリップアイテム
さてもう1ブランド、これは今、何を作っても大きな話題になってしまう圧倒的な注目ブランド、フローフシ。滝の600倍のマイナスイオンを発生させるというエンドミネラルを独占的に使用できることで、代謝促進、及び血行促進アイテムを、意外な形で次々デビューさせているが、ついに挑んできたのがリップアイテム。これがまた意表をつく斬新すぎる製品となったのだ。
それは、口紅というよりも、素のままの唇を美しくするための唇改善アイテム。これを独自のエンドミネラルと、驚いたことに乳酸菌を使っての保水力アップによって行うというものなのだ。少女の唇のように血色による自然な赤みとともに、みずみずしい潤いで満たされた、うるうるした湿気をも持った唇を日々育てていくというリップなのである。
しかもネーミングは、リップ38℃。38度? 女は微熱を持った状態が一番美しいという発想から、38度の微熱を持ったような唇を作るのがテーマなのだ。だから、見た目にも体温をプラスマイナスしてコントロールするように、+5℃、+3℃、+1℃、±0℃、-2℃の5色を作った。
つまり+5℃なら、もうそれだけで血色が美しいコーラル色の発色。+1℃のリップは、それこそ淡い桜色、一方、-2℃は、うっすらとグリーンを帯びたリップだが、これを真っ赤な口紅などに重ねると、程よく色がクールに抑えられ、ちょうどいい発色になるという、口紅色のコントロールまでしてくれる。
正直、あまりに新しすぎて、感覚的についていけないという人もいるかもしれない。でも、一度使ってみれば必ずわかる。唇に塗ると、わずかにジンジンしてくるような手応えがあり、ほとんどその場で血行と保水力が高まり、ほんの少しの時間で唇が一気に若返る印象。唇荒れなど本当にどこかに吹き飛ぶのである。そして紛れもなく唇本来の色も明るくなっていく。
極端な話、いつの日か、口紅は要らないと思うようになるのかもしれない。女が口紅を塗らなくなるなんて、地球規模の歴史的革命だけれど、それが大げさではないくらい、今口紅が進化しているということなのだ。その変化、決して見逃さないでいてほしい。ちゃんと自分の唇でその変化を体感してほしいから。
齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『“一生美人”力』(朝日新聞出版)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。近著に『されど“男”は愛おしい』(講談社)がある。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2017.08.03(木)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史